新天地でのプロ2年目の今季を、日高暖己は「納得のいく1年間じゃなかったです」と振り返った。
昨オフにFA移籍した
西川龍馬の人的補償で加入。2022年秋ドラフト5位指名でプロの世界の飛び込んだ右腕は、
オリックスでわずか1年を過ごしただけ。
「慣れることを最優先にしてしまっていたら、自分のことがおろそかになってしまった」
度重なる環境の変化に対して、戸惑いのほうが大きかったようだ。
シーズン終盤には二軍で先発ローテーションに入るも、ウエスタン登板14試合で2勝5敗、防御率5.29。ルーキーだった昨季の登板12試合で1勝1敗、防御率3.15と比較しても成長の足跡を残すことはできず、一軍デビューはかなわなかった。
オリックス時代にあこがれの先輩・
山本由伸(現ドジャース)に似たフォームから“2世”とも呼ばれた。そのフォームを基に試行錯誤を重ねたが、今季限りで現役を引退した
野村祐輔からも右手の力加減について指摘をもらっていた。「なるべく力を入れるタイミングを遅らせられるように」。秋季キャンプでは
黒田博樹球団アドバイザーからも同様の指摘を受け、「数を投げて、体に覚えさせていきたい」と鍛錬の日々を送っている。
オリックスで同期入団の
齋藤響介が今季2勝を挙げ、
巨人・
浅野翔吾のように一軍で活躍する同世代もいる。
「今は球速も含めて真っすぐの強さが課題。できないことを一つひとつ、つぶしていきたい。来年はもう、なるべく早く上で投げられるように」
一軍デビューを最低ノルマに、まずはプロ初勝利をつかみ取る。
写真=佐藤真一