
飛躍の2年目へ。戦いはすでに始まっている
黙々と、だが着実に上へ登った。10月30日から11月14日まで仙台市内で行われた秋季キャンプ。その最終日、練習の最後に行われたのが、約270段の階段をダッシュするメニューだった。参加メンバーの中では「先頭グループ」で3セット、大粒の汗を流しながら階段を駆け上がったのが
古謝樹だ。
指揮官の指示に応えた秋だった。就任したばかりの
三木肇新監督は、今キャンプのテーマを『鍛錬』とした。古謝を含めた若手投手陣は投げ込み、走り込んで徹底的に体を鍛え上げた。「きつい練習をやっていかないと結果は出ないと思う」と意欲的に取り組んだ。
ドラフト1位で入団したルーキーイヤーの今季は15試合登板で5勝8敗、防御率4.32。だが、7イニング以上を投げたのは2度だけだった。1試合の自己最長イニング数は4失点で敗戦投手となった7月17日の
日本ハム戦(エスコンF)での7回1/3。不慣れなプロの世界とはいえ、体力面への課題を痛感した。『鍛錬』は望むところでもあった。「本当に追い込んで追い込んで追い込みたいと思います」と課題を克服すべく、意欲的に汗を流した。
指揮官は秋季キャンプでのMVPを発表しなかったが「選手たちもしっかり取り組んでくれた。実りある、中身の詰まったキャンプができたことは良かった」と全選手へ一定の評価を与えた。
2年目となる来季の目標として11勝以上を掲げた上で「長い野球生活を続けられれば」と言葉に力を込めた。現状に満足することなく、確かな歩みを積み重ねていく。
写真=BBM