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開幕から先発ローテーションを外れずに投げ続けた隅田
チームの投手陣の中で唯一、1度の抹消もなく年間通して先発ローテーションを守り切ったのが
隅田知一郎だった。「登板数に関しては、マックスぐらい投げられたと思っています。それを目標に、また来年1年間頑張りたい」と、本人も胸を張る。9勝10敗、防御率2.76の成績で終えた今季を振り返り、「勝敗は別として、投球内容的には今までにない良い成績を出せたと思います。チームとしてはすごく悔しいシーズンでしたが、個人としては自分の軸をブレずに貫けたことは大きな経験になりました」とうなずいた。
初めてシーズン通して先発ローテを守り切ったからこそ、初めて気付けた自分がいたという。
「僕、結構夏男かなと思いました。夏場のベルーナドームでかなり暑くてチームが苦しんでいるときに、結構長い回を投げられたり、夏場に状態を上げていけたのは大きかったです。何より、1年間投げ続けることは信頼を得ることにつながるので」
大きな自信を得られたからこそ、来季のさらなる成長を自らに課す。
「この3年間は勝ち負けの運には恵まれなかったとは思いますが、来季は僕が自分で勝ち運を手繰り寄せて、すべての面でチームに良い影響を与えたいなと思っています」
目指すのは「沢村賞」と背番号16。
「その選考基準のハードルを目指すことで、最多勝、最多奪三振、最優秀防御率となり、それが沢村賞につながると思うので。そのためには、運も必要。野球の神様を信じて、徳をたくさん積もうと思います」
日々、できる最大限の努力を怠らず、一歩一歩成長を遂げていく。
写真=BBM