シーズンの幕切れでチームを覆ったのは悔しさだった。阿部慎之助監督は、2024年は就任1年目にして77勝59敗7分けの貯金18でチームを4年ぶりのリーグ優勝に導いた。だが、クライマックスシリーズ・ファイナルステージではリーグ3位の
DeNAの前に敗退。「勝たせてあげられなかった。申し訳ない」と25年の逆襲を誓う。
24年は球界全体に“投高打低”が広がったこともあるが、巨人は本塁打数が23年の164本から半分以下の81本に、チーム防御率は3.39から2.49に激変した。特にリリーフ防御率はリーグワーストの3.81から同トップの2.27に改善。“守り勝つ野球”でチームを再建した。それだけに強化ポイントには「明確。打てなかった。何とか打撃陣を(強化したい)」と攻撃力アップを掲げる。
FA宣言した
阪神・
大山悠輔の獲得は逃したものの、一塁と外野を守る左のスラッガー、T.キャベッジを獲得した。さらに、阿部監督が現役時代からコーチと選手として厚い信頼関係を築いていた
橋上秀樹氏を作戦戦略コーチとして招聘。
楽天時代に名将・
野村克也監督の下でヘッドコーチとしてID野球を学んだ頭脳派の加入も攻撃面に追い風を吹かせる。
「基本はバッテリー、守り。それは変わらない」と指揮官。
中日の剛腕クローザーである
R.マルティネスを迎え入れ、
ソフトバンクの正捕手だった
甲斐拓也をFAで獲得。さらに厚みが増した戦力で、リーグ連覇と13年ぶりの日本一奪回を目指す。
写真=BBM