
高卒5年目の昨季は一軍で3本塁打を放った井上
勝負の懸かった新しい年になりそうだ。注目株の一人、
井上広大にとってブレークの兆しをみせた2024年だった。25年こそジャンプのシーズンにしたい。
「シーズンのアタマから長打力を見せたいし、確率も上げたいと思っています。もっともっと進化したいです」
外野の一角に切り込むヒントを見たのは、24年シーズンに放った一軍での3本塁打の中身だ。井上はサウスポーにめっぽう強い打撃を見せつけたのだった。
8月28日、
DeNA戦(横浜)ではエース格の
東克樹からプロ初本塁打を放った。その後も
中日・
小笠原慎之介、DeNA・
濱口遥大(現
ソフトバンク)と主力の左投手に手痛い一発を浴びせている。
井上が左キラーをアピールしたのは定位置確保へのアドバンテージになる。あとは本人が「確率を上げたい」と自己分析したように安定感が求められる。
開幕はファームスタートも、5月に一軍昇格、だが再び二軍落ちした。シーズン終盤の8月になって再昇格し、本来の力を見せ始めた。この流れを大事にしたいものだ。
ウエスタン・リーグで首位打者(打率.308)に輝いており、この勢いで25年は甘んじることなく果敢にレギュラーを獲りにいくチャンスの年にしたい。そのためにも未経験の一塁にも挑戦してきた。「ゲームに出られるのなら、いろんなところで準備したい」と前向きにとらえる。
年明けの自主トレーニングはDeNAの
牧秀悟らと合流。
前川右京らとの外野併用策から抜け出す転機にしていきたい。
写真=BBM