
今宮健太はまだまだ、定位置を若い選手には譲らない
長いプロ野球の歴史で過去に138人しか達成していない記録に挑戦する。16年目の今季、今宮健太が目標に掲げるのが通算1500安打だ。「今年中に達成したいという思いはある」。ここまで積み重ねてきた安打は1371本。残り129本は十分に可能性のある数字だ。
キャリアハイは2017年にマークした139安打(出場141試合)。これまで130本以上の安打を放ったシーズンは3度あり、いずれも130試合以上に出場していた。昨季は133試合に出場して121安打。「まずはレギュラーとして試合に出ることが大前提」と、本人も理解している。
実はもう一つの大記録も迫っている。過去3人しか成し遂げていない通算400犠打だ。現在は現役選手でトップの395犠打をマーク。ここ4年は平均して20犠打前後を記録していることもあり、今季の達成がほぼ確実な状況と言える。しかし、こちらの数字に関しては、本人の受け止めは少し違う。「打てれば犠打をする必要はないですから。これだけ犠打をやってきたということは、打てていなかったということ」。身長172センチと小柄ながら、高校時代は通算62本塁打を放つなどパンチ力も備えるだけに、過去にはプライドものぞかせていた。
それでも、今年7月には34歳を迎えるベテランは、自らに求められる役割を分かっている。「今はチームが勝つことが何よりもうれしい。うちは強力打線がそろっているので、自分がしっかりとつなぎ役になれればいい」。大記録をダブル達成し、リーグ連覇に貢献してみせる。
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