日本プロ野球の90年の歴史でたった7人だけがたどり着いた領域に、坂本勇人が近づいている。通算2500安打まで残り85本。当の本人は節目についての意識を聞かれ、「マジで何もないです、すみません。普通に来年、達成はしないといけない数字だと思います」と“あっさり”していたものの、通算2539安打の
金本知憲(元
阪神ほか)以来の偉業が視野に入っている。
昨季は長年の定位置だった遊撃から本格転向した三塁でゴールデン・グラブ賞を受賞するも、打撃不振で二軍調整を経験するなど109試合の出場で打率.238、7本塁打、34打点。「なかなかこんなにうまくいかないことって、あまりなかった。すごく考えさせられたシーズンでした」と36歳になった肉体の変化を痛感した。
しかし、このまま衰えていくつもりはない。「個人的な目標はないけど、野球がうまくなりたいというのはずっと変わらない。人にも野球がうまいなと思ってもらえるように頑張ります」。数字やタイトルではなく、その根底にある“進化”が常に背番号6の目標だ。
レギュラーに定着した2年目以降では、故障が相次いだ2022年の87安打がシーズン最少。昨季は94安打、順調なら今季中の2500本到達が期待できそうだ。さらに通算300本塁打にも、あと5本と迫る。巨人が誇るスターが、プロ19年目もレジェンドたちの記録の間を走り抜ける。
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