昨季4位からの巻き返しに向けて、
新井貴浩監督が一番に掲げるのが「競争」だ。
野手はベテランも例外なく「横一線」。投手陣は、特に
九里亜蓮が
オリックスにFA移籍した先発ローテ争いが熾烈。
大瀬良大地、
床田寛樹、
森下暢仁の3本柱以外の3枠を巡り、若ゴイがしのぎを削る。候補の1人が、2年目のドライチ右腕・常廣羽也斗だ。
宮崎・日南キャンプで、早々にアピールに乗り出した。2日目に希望制で行われたフリー打撃に、3年目の
斉藤優汰らと手を挙げた。
「ブルペンで良くても、打者に投げないと分からないことがある」
打者に球種を伝える形式で
内田湘大、佐藤啓介を相手に計5打席で25球、15スイングで安打性は1本。
「強い球もたくさんあった。やってきたことを出せたかなと思います」
5日のシート登板では先頭から3者連続三振を含む打者5人を無安打と圧倒した。
1年目の昨季は調整遅れやコンディション不良もあり、思うようなスタートは切れなかった。デビューは9月15日の
DeNA戦(マツダ広島)。5回1失点で球団新人として7年ぶりの初登板勝利を飾り、2年目に弾みはつけた。
新井監督は「本人も分かっていると思うけど、今年はチャンス」と期待を込める。
昨季6勝の
アドゥワ誠、同4勝の
玉村昇悟を筆頭候補に、4年目の
森翔平、同期の
滝田一希やドラフト2位の佐藤柳之介、同日にフリー登板した斉藤もいる。
「『つかむぞ!』と思って、つかめるものでもない。試合の結果でアピールしてから言えると思う。まずは自分の球を投げるとか、けがしないとか。そういうところをしっかり」
2月14日には、『ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025』オランダ戦(3月5~6日、京セラドーム)の日本代表メンバー入りも発表された。
目の前の打者一人ひとりとの対戦を積み重ね、先発ローテーション1枠を勝ち取る。
写真=井沢雄一郎