
キャンプでしっかりと練習を重ね、実戦で結果を残している
4年目の今春、
菅井信也は自らの手で初の一軍キャンプの切符をつかんだ。高卒3年目の昨季、6月に念願の支配下選手に昇格すると、7月15日の
オリックス戦(ベルーナ)で先発としてプロ初勝利を記録し、将来性を大いにアピールしてみせた。
そんな成長ぶりを入団時から常にそばで見続けてきたのが
西口文也新監督だった。菅井の入団と同じ2022年にファーム監督に就任。“同期”として、格別なる思いで失敗も成功も見守ってきた。「順調にステップアップしていることは分かっている」と新指揮官。取材陣からの「今季期待する成長株は?」の問いには、同期同学年の
羽田慎之介、
黒田将矢とともに「菅井」の名を必ず挙げる。
周囲からの大きな期待を、菅井本人も重々感じている。キャンプ中の紅白戦、練習試合ではりんと1本足で立つ美しい始動から、力感のないフォームで投げ込む力強い直球と多彩な変化球でそれぞれ2回、3回を無失点に抑えたが、「まだまだ課題は多い」と、求めるところはさらに高い。
「変化球でカウントを取ることを練習の中でやってきたのですが、最近リリースが合わなくて。真っすぐの感覚も良くないという、自分の状態を理解した上でどうなるかという感じでした」
コーチ陣からも下半身強化を指摘され、「実戦の中で課題が出たことをプラスに、ここから上げていければいいなと思っています」と意気込んだ。
昨季新人王の
武内夏暉が自主トレで故障し出遅れた。左腕の穴は左腕が埋めるのが理想だけに、千載一遇で訪れた開幕先発ローテーション入りの好機を是が非でも奪いにいく。
写真=BBM