
昨季、.227に終わった打率を今季上げることが求められる
西口文也監督は就任早々、「キャプテンを置かない」と明言した。その理由について、「一人ひとりが自覚を持ってほしいという意味」と説明。昨季49勝91敗3分けの成績で最下位に屈したチーム状況から脱却するためにも、年齢やキャリアに関係なく、選手それぞれがチームに対して責任感を持つことを求めていく形だ。
その中で、唯一役職が与えられているのが選手会長の
外崎修汰である。主に主将が務めてきた球団イベントでの選手代表あいさつなど、表に立つ役に加え、「まずは数字で引っ張っていくのが一番なのかな」と成績でけん引することを自らに課している。
そのために昨季打率.227と低迷した打撃の改良が必須だが、オープン戦では打率.306と好調だった。その要因は「試合中にバットが折れたこと」と明かす。「ずっと使っていたくり抜きのバットが折れて、代わりにベンチに置いてあったくり抜きではないので打ったら、そこからすごく打てるようになって。先が重いので、ヘッドが遅れて出てきて返しやすくて。ラインも出しやすい感覚がある」。以後、そのバットを愛用中だ。
そしてもう一つ、春季キャンプ中にデータをとった、「打ちにいくときの視点」の測定が打撃フォーム改良の大きなヒントをくれた。「
中村剛也さんや
栗山巧さんら実績のある打者は、全然ブレがないから最後まで球が追えている。でも僕はその目線が大きくブレていて、全然違う。これはさすがに修正しないといけない、と」。大きな変革を決断できた。
また、三塁へのコンバートにも注目されている。チームの逆襲に背番号『5』の躍進は必要不可欠だ。
写真=BBM