戦いの場をパ・リーグに移しても存在感が光る。
広島から海外FA権を行使して、オリックスのユニフォームに袖を通した九里亜蓮が、3月29日の
楽天戦(京セラドーム)で先発登板し、新天地でデビューを果たした。
新たな本拠地のマウンドに上がった右腕は、移籍後初先発で6回2失点と粘投。勝敗こそ自身につかなかったが「リズムの良くない投球になってしまった。いいところはないし、悪いところしかなかったです」と7安打を浴びた投球に反省の言葉を並べた。
与えた四球は5。球数は111を数えてしまった。登板前には「打者一人ひとりとしっかり勝負しながら、一つひとつのアウトを積み重ねていければ」と話していたが、4回のマウンド以外では、毎回得点圏に走者を背負うピッチングに。それでも冷静な投球を心掛け、2失点で踏ん張った。大崩れしない投球に、
岸田護監督も「調子が抜群に良いというわけではなく、緊張もあったと思うんですけど、本当によく粘って亜
蓮らしい投球でした」という評価に応え、5日の
日本ハム戦(エスコンF)で8回1失点、12日の楽天戦(楽天モバイル)では8回無失点と、その後の登板で2勝をマークした。
2014年にドラフト2位で広島に入団。2021年には13勝をマークして、最多勝のタイトルを獲得するなど、昨季までの11年間を広島で過ごしたが、「環境を変えてパ・リーグという新しい場所で挑戦したい」と、移籍を決断した。
オリックス加入後は、
宮城大弥にスライダーの投げ方を教わるなど、年齢に関係なく円滑なコミュニケーションを図る。すべてはチームの浮上に貢献するためだ。
写真=BBM