
再び一軍の舞台で投げれるように投球術を磨く
爪痕は残した。4月12日の
オリックス戦(
楽天モバイル)、0対4のビハインドで迎えた9回に四番手でマウンドに上がったのは大卒2年目の
松田啄磨だった。先頭の
太田椋を中飛。続く
山中稜真には四球を与えたが、
中川圭太を遊ゴロ併殺に仕留めて、1イニングを無安打無失点。自身、今季初となる一軍のマウンドで結果を残した。
この日の直球の最速は140キロ。懸命に四隅を狙ったが制球は今ひとつだった。ただ岸の握りを参考にした大きく縦に割れる100キロ台のカーブで緩急をつけ、直球を速く感じさせた。186センチの長身右腕。1年目の昨季は開幕一軍を勝ち取ったが、5月に左内腹斜筋を痛めて戦線を離脱。わずか7試合の登板でシーズンを終えた。2年目こそ、活躍を誓い、オフは
則本昂大の合同自主トレに参加。長らく先発としてチームを支えながら、昨季はセーブ王に輝いた右腕からさまざまなことを学んだ。
キャンプから二軍スタートとなったが、開幕後、二軍では2試合に登板し計11回2/3を投げて9安打1失点。11奪三振、防御率0.77と安定した投球を見せて4月11日に一軍初昇格を勝ち取った。ただ16日に再調整のため出場選手登録を抹消。制球を含めて課題は残るが、成長の跡が見られることは確かだ。
今年の目標の一つが、一軍定着。まだ体の線は細いが、先発をこなせるほどのスタミナもある。「次の年まで契約してくれるか分からない職業。毎日が勝負かなと思う」と語っていた右腕。高いプロ意識と地道な努力を続けて、己の道を切り開く。
写真=BBM