
10番台の背番号をいただくことは特別なこと
北山亘基にとって4年目は一気に殻を破るシーズンとなった。開幕から先発ローテーションを外れることなく全う。196回2/3で両リーグトップの伊藤とともに、チームの先発陣で2番目となる149回を投げて初めて規定投球回をクリアした。初の2ケタ勝利こそ逃したが、9勝5敗で防御率1.63という堂々の成績を残した。
シーズン途中には異例となる背番号変更も経験した。後半戦初登板を前にした8月4日に、プロ入りから背負ってきた57番から15番に変わることが発表された。「プロ野球の世界で10番台の背番号をいただくことは特別なことだと思います」。新庄監督からの打診をありがたく受け入れ、主戦投手としての責任、覚悟を背負うことを決めた。
今秋の侍ジャパンにも名を連ねたように、有言実行で野球人生を切り開いた。2022年ドラフト8位でのプロ入り。12球団全体で支配下77人が指名を受けた中でブービーとなる76番目の指名だった。その瞬間に涙を流した右腕は「8位は今の自分の実力。この瞬間から誰よりも努力して、いずれは日本を代表する投手になりたい」と誓っていた。
1年目は春季キャンプのブルペンで新庄監督へのアピールが成功し、いきなり開幕投手に抜てきされた。さらにセットアッパー、クローザーも経験し、2年目からはシーズン序盤に先発へ転向。不断の努力で着実に実力を高めて今季はオールスターにも初出場した。指名順位は関係ない。北山の成り上がりぶりはドラフト下位指名選手の希望であり、モデルケースだ。
写真=BBM