今季から新たにチームの顔と言える一ケタの背番号『4』を背負った矢野雅哉の姿は、ベンチにあった。
112試合で打率.208と打撃が奮わなかった。8月以降のスタメンは10試合だけ。
「悪いことばっかりだった。悪い中で自分が修正できなかったのが一番。そこが成長を止めたと思う」と、飛躍を遂げるはずだった5年目は悔しさだけが残った。
昨年は開幕スタメン外から正遊撃手へと上り詰め、念願のゴールデン・グラブ賞を受賞した。
2020年ドラフト6位は球界屈指の守備力を武器に、今年3月には侍ジャパン強化試合の代表メンバーに選ばれ、人生初めて日の丸を背負った。重圧が打撃を狂わせた部分もあった。
「自分の中では振りたくなかったけど、打席に立ったら力が入って、どうしても振っちゃうというのがあった」。
力みから持ち味の粘りも失った。
昨季は
小園海斗と並ぶリーグ3位タイの13盗塁をマークした。今季は出塁数を減らし、出場試合も減らし、2盗塁のみ。チーム57盗塁はリーグ5位。
長打力を欠く打線の中で重要な機動力を落とした原因は、矢野の不振にも一端があった。
雪辱を期す来季に向けて、すでに動き始めている。シーズンの全日程終了(10月4日)の翌日には「打撃の土台を作り直す」と、宮崎・日南に向かった。
22年以来となるみやざきフェ
ニックス・リーグに志願して参加した。26歳は、チームで
益田武尚と並ぶ最年長。
「引っ張っていかないといけない。結果もそうですけど、取り組む姿勢も見られていると思う」
ともに汗を流す若手の姿も刺激に、再びレギュラー奪取に挑む。
写真=井沢雄一郎