もう、やるしかない。来季7年目を迎える石川昂弥は高知秋季キャンプの初日、バットを振って振って振り込んだ。
「初日なのでキツかったですけど、振り込めたのはよかったです」。1キロのマスコットバットで打ち込んだ。午後だけで1ケース200球のカゴを4セットこなした。
「途中で脚がつった。でもとにかく打ち切るだけでした」。必死の形相でやりきった。
今季は開幕四番でスタートするも、低空飛行が続いて二軍落ち。シーズン終盤の9月3日の
阪神戦(バンテリン)で今季1号を放ったが、翌日に左脇腹痛で痛恨の離脱となり、リハビリ組でシーズンを終えていた。
10月の秋季練習でも別メニューで調整していたが、22日の第4クールから全体練習に合流した。
その日、
井上一樹監督は「『高知に行かせてください』というのを今日の朝に聞いた。絶対に無理やろって言ったんやけど、コーチ陣が絶対に大丈夫と言うから、とりあえず高知のメンバーに入れます」と同行させることを決断した。
今年のドラフトでもパワー系の即戦力内野手は指名しなかった。その理由について、指揮官は「もう待ったなし。昂弥とかの奮起をもう1回信じようというのがオレからのメッセージ」と説明している。
「高知に連れて行ってもらえる。自分のやれることをやって、完走できるように体のケアをしっかりしながらやりたい。これだけやったというものをつくりたい」
未完の大器と言われ、はや数年。背番号25がモノになれば、チームは一気に生まれ変わる。ファンはそのときを、ずっと待っている。
写真=BBM