今季初のヒーローインタビューで、段ボールにマジックで「球団新」などと走り書きされた祝福ボードが手渡された。
島内颯太郎は「うれしいけど……あまりに簡易的だなって」と、チームメートが大急ぎで手製したプレゼントに苦笑いした。
8月27日の
巨人戦(マツダ広島)で通算116ホールド目。6月12日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で球団3人目となる通算100Hを通過点に、一気に
今村猛の記録を塗り替え、球団史に名を刻んだ。
新記録達成は、先輩の6勝目がかかったマウンドだった。九州共立大で5歳上の
大瀬良大地が6回2失点と粘った後、1点リードの8回をきっちり3人で料理。
「絶対に(白星を)消すわけにいかないと思って必死に投げました」と、お立ち台そろい踏みで喜びは増した。
2年ぶりの大台となる60登板は、森浦と並ぶチーム最多。最優秀中継ぎ賞を獲得した2023年の自己最多62登板には及ばなかったが、防御率1.40は2年前(2.31)と比べても大幅上昇の自己最高。
「もともとポジションをつかみ取らないといけない立場。守りに入らず、ずっと攻めの投球でいけたのが良かった」と自信にもつながった。
来年10月には30歳の節目を迎える。11月28日には広島市内のホテルで行われた選手会総会で、新たな選手会長に選出された。投球はもちろん、グラウンド内外でチームを引っ張る働きが求められる。
さらに、
栗林良吏が先発挑戦することで「勝利の方程式」は再整備となる。今季後半戦は
森浦大輔がクローザーを務めたが、現状は事実上の“空位”。直近3年間で180登板と安定してフル回転してきた島内も、その役割を担う力はある。
ブルペンの屋台骨となってチームを支えていく。
写真=井沢雄一郎