10年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞した技は健在だ。今季も広島最年長内野手の菊池涼介は、好守で若いチームをもり立てている。
9月27日の
DeNA戦(横浜)では先を読んだ好判断で流れを変えた。先発・
栗林良吏が1点を勝ち越された7回、なお二死一塁から代打・
勝又温史が引っ張った打球は一、二塁間に転がった。
二塁手の菊池が何とか打球に追いつきそうではあったが、打者走者をアウトにできそうにない――。捕球した菊池は体を回転させ、一塁ではなく二塁へ送球。オーバーランして二塁ベースを飛び出していた一走をアウトにした。
一塁に送っていれば内野安打となり、さらに一走も三塁に進塁してさらに1点追加の状況となっていた。好判断によって相手の反撃ムードを消し、味方の攻撃に勢いをもたらした。
直後に同点として迎えた9回の攻撃。DeNAの抑え、
ショーン・レイノルズから一死二、三塁とし、打席に入った菊池は2球目の低めの変化球に腕を伸ばすようにうまくバットを合わせた。
投手の足元を襲った打球は二遊間を抜け、勝ち越しの2点タイムリーヒットとなった。
翌28日の同戦では史上50人目となる通算350二塁打が決勝打となり、2試合連続勝利打点をマーク。今季は9月13日の
ヤクルト戦(神宮)で四番起用されるなど、二番から七番までの打順を打った。若い選手が多いチームで、攻撃面ではユーティリティー性を発揮する。
二塁守備では、9月20日の
中日戦(バンテリン)で
細川成也の投手右上を抜けるライナー性の打球に反応してダイビングキャッチ。好判断による好守だけでなく、“忍者”と呼ばれた驚異的な守備力も色あせていない。
写真=高原由佳