
神奈川県川崎市内のグラウンドにて。4年間の集大成を神宮で見せる[写真=菅原淳]
四番打者の逆転アーチには、仲間への思いがこもっていた。
今春の早大4回戦(5月10日)。1点を追う9回、一死一塁から法大の
内海貴斗(4年・横浜高)は右翼ポール際へ逆転2ランを放った。ダイヤモンドを回った内海は、三塁ベースの手前で右の拳を高く突き上げた。視線の先には、三塁側の応援席があった。試合後、内海は言った。
「いつも練習を手伝ってくれるベンチ外の仲間たちが、スタンドで応援してくれている。みんなのために打ってやろうと思っていました」
フルスイングから強い打球を飛ばす左の強打者。名門・横浜高で1年春から試合で起用され、3年時には主将兼四番を務めた。「大学でも試合に出られるだろう」と法大へ進んだが、その自信は打ち砕かれる。1、2年時はベンチにも入れなかった。内海は当時を振り返る。
「それまでベンチ外の経験がなかったので、試合に出られないのはこんなに悔しいんだ、こんなにつまらないんだと思い知った。一時は野球をやめようかなという感じでした」
野球エリートが初めて味わった挫折・・・
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