週刊ベースボールONLINE

注目チーム紹介

都市対抗初戦敗退のトヨタ自動車「勝ち切れる集団」に挑戦 4年連続日本一へ照準

 

藤原監督は東京ドームで得た反省点を持ち帰り、課題を一つひとつ克服していく[写真=小河原友信]


 トヨタ自動車(豊田市)が今夏の都市対抗大会で初戦敗退を喫した。近年の充実ぶりには目を見張るものがあり、23年は都市対抗で黒獅子旗を獲得。22年と昨年は社会人野球日本選手権を制覇し、3年連続で日本一の栄誉に輝いていた。

 藤原航平監督(中大)が今季のテーマに掲げていたのは「積極的な攻撃と堅い守備」。主将・逢澤崚介(明大)は「この冬は1球目にこだわり、打撃練習の1球目。ノックの1球目を意識し、良い声を出しながらすべての選手が1ランク上を目指して練習してきました」と振り返る。

 ベテランと中堅が仕事をしている中で世代交代も進めており、2年目の熊田任洋(早大)が一番に定着。投手陣ではエース・嘉陽宗一郎(亜大)をリリーフに回し、3年目の左腕・増居翔太(慶大)を先発の軸に据えた。「若手が挑戦できる場を設けて、ミスを恐れずに取り組める環境を整えてきました」(逢澤主将)。

 4月のJABA岡山大会で優勝。今季のJABA大会で11大会のうち6大会を制し、都市対抗でも史上初めて王子(春日井市)と三菱自動車岡崎(岡崎市)の愛知県勢同士で決勝戦が争われるなど、レベルの高さを示した東海地区の都市対抗二次予選で破竹の4連勝。第1代表で出場権を獲得し「良い準備ができました」と逢澤主将が手応えを感じるほどの仕上がりを見せ、本大会の優勝候補に推す声も多かった。

攻守走でレベルアップ


 JR東日本東北(仙台市)との1回戦は、3回裏に二死から四球で出塁した熊田が盗塁に成功。続く北村祥治(亜大)のタイムリーで先制すると、その後も小刻みに得点を奪って3点リード。だが、8回表に先発の増居が一死二・三塁とされ降板。継投策を取ったが、これが裏目となって同点に追いつかれるとタイブレークの延長10回表には嘉陽が2点を失い、3対5で競り負けた。

 藤原監督は「バントを使うことなく攻撃的に得点を奪いにいき、良い守備もありました。選手は私が目指すところに向かってよくやってくれたと思います。ただ、1点を取った後に次のもう1点が取れませんでした」と敗戦を受け止め、逢澤主将も7回裏に適時二塁打で1打点は挙げたものの「畳みかけられずに押し切れなかった」と悔しさをにじませた。

 また、9回裏の好機で凡退し「サヨナラの場面で打ってこそ信頼されるので、チャンスで一本打つことを意識してこれから取り組んでいきたい」と話した。増居は「終盤を任せられるピッチャーではなかった。もっと少ない球数でいくのか、バットに当たらないような空振りが取れるボールを習得するか、どちらかができるようにしていきたい」とそれぞれ課題を口にした。

 そして、嘉陽は「都市対抗の舞台でもトヨタ自動車らしい野球ができたと思います。ただ、実力不足で勝てなかったのでしっかりと反省し、勝ち切れる集団になってもう一度、優勝できるように取り組んでいきたい」と、気持ちを切り替えている。逢澤主将も「チームを引き締め、攻守走のすべてを鍛え上げたい」と話しており、10月開幕の日本選手権では4年連続の日本一を狙う。(取材・文=大平明)
アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球取材班、ベースボールライターによる、高校・大学・社会人野球の読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング