
東京ガスで入社1年目。恵まれた環境で才能を伸ばしている[写真=矢野寿明]
東京ガスでルーキーながらもクリーンアップで活躍している藤澤涼介(横浜国立大)。学生時代は文武両道を実践し「大学でも野球を続けるつもりだったので、国立大学でも野球が強いところでやれたらと思っていました」と、横浜国立大に進学。理工学部に在籍し、卒論のテーマは有機系太陽電池についてだったという。神奈川大学リーグでは2年春に一部へ昇格してから通算で12本塁打。3年冬には侍ジャパン大学代表の合宿に招集され、50メートル走では参加者の中で2位となる5秒97をマークした。
「大学での環境面は恵まれているとは言えませんでしたが、練習をやらされるのではなく、自分たちで考えながら取り組んでいくチームだったので良い成長ができたと思います」
東京ガスは「チーム内でコミュニケーションが取れて、新しいことにも取り組みやすいチームカラー」という印象を持っている。また、入社当初に「紅白戦で自チームの投手と対戦したときにストレートが強く、精度も高かった」と感じたことからフォームを修正した。
「それまではトップから最短距離でたたくイメージだったのですが、後ろの軌道を意識して少し膨らませるようにバットを動かして振るようにしました。それから前の方でボールを捉えたいのでタイミングは少し早めにとっているのですが、最初の頃はバスターで打つことで足の動かし方から覚えました」
すると、4月のJABA長野大会では打率.529(17打数9安打)をマーク。三菱重工Eastとの決勝では2ランを放って優勝に貢献し、最優秀選手賞を受賞した。「今のフォームにしたことで打球が強くなり、逆方向にも良い打球が打てました」。6月から始まった都市対抗・東京都2次予選でも鷺宮製作所(東京都)戦では逆方向のライトへ一発。Honda(東京都)との第2代表決定戦では8回表に決勝弾を放って本大会出場を決めるなど、4試合で3本塁打、6打点を記録した。松田孝仁監督(関大)は「普段から考えながら練習をしていて、その練習をしっかりと技術につなげている。新人ですがチームの中心としてよくやってくれています」と評価している。
確立する自分のスイング
初めて出場した都市対抗の本選では1回戦でSUBARU(太田市)と対戦。大観衆に包まれ「今まで感じたことがない雰囲気で緊張もしましたが予選と同じくらいだったと思います」と試合に入ったが、中盤までに6点をリードされる苦しい展開。それでも7回表に無死二塁のチャンスで打席に立つと「変化球を上手く払えて、前でとらえることができました」と三塁線を破る適時二塁打を放つ。
その後も打線がつながって3点を返したが、反撃もここまで。3対8で敗れ「相手投手の制球が良く、狙い球が絞りづらかった。振りにいってもファウルになってしまい、自分のスイングができませんでした」と口にした藤澤。続けて「課題は山積み。守備も走塁もまだできることは多いので、日本選手権で優勝できるように頑張りたい」と抱負を語った。社会人日本選手権は10月28日に開幕。1回戦で全日本クラブ選手権を制したマツゲン箕島硬式野球部と対戦する。2026年のドラフト候補。身体能力が高い国立大出身の右のスラッガーにこれからも目が離せない。(取材・文=大平明)
PROFILE ふじさわ・りょうすけ●2002年6月4日生まれ。栃木県出身。187cm87kg。右投右打。城東小4年時から城東学童野球クラブで野球を始める。宇都宮東高校付属中では宇都宮シニアでプレー。佐野日大高では1年秋からベンチ入り。横浜国立大では2年春にフレッシュマン賞、秋にベストプレーヤー賞を受賞。3年秋は13打点で打点賞を獲得しベストナイン。同冬の大学代表候補合宿に参加。東京ガスでは1年目から中軸を任される。