来日8シーズン目にして挑んだ新境地。先発転向1年目ながら残した輝かしい成績は、助っ人左腕の日々の成果にほかならない。今後も真っさらなマウンドから、力強く『モイネロの攻撃』は続いていく。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM 通訳=岡本健慈(福岡ソフトバンクホークス) 
ソフトバンク・L.モイネロ
常にポジティブに
持てる力を発揮するのは1イニングだけに限られない。投げれば投げるほど、先発投手としての適性も見せたリバン・モイネロは、規定投球回をクリアして2ケタ11勝。NPB通算100ホールド&2ケタ勝利を果たした外国人投手は史上初だった。長いイニングを投げる中で、失点も最小限度。1点台の防御率を見れば、もっと早くに先発転向しても良かったのでは、と思わずにはいられない。 ――転向1年目から先発の柱とも言える活躍を果たし、最優秀防御率のタイトルも獲得しました。
モイネロ 自分が思っていた以上に、いい成績が出せました。タイトルはもちろん、先発1年目で11勝もできてチームの勝利に貢献できたので、そこがすごくうれしいです。
――モイネロ投手自身、もう少し難しいシーズンになると思っていましたか。
モイネロ 先発に対して、というよりも、1年目というところで、ですね。(勝利数が)7とか8とか、そのくらいのイメージ。あと、防御率も2点台であればいいかなというぐらいのイメージでした。
――想定以上のいい成績を残せた要因は、どこにあったと思いますか。
モイネロ メンタル面と技術面のところで、しっかりとトレーニングできたのが良かったと思いますね。キューバ(母国)でしっかりと準備してきましたし、そこで足りなかった部分に関しては、こっち(日本)に来てキャンプを過ごして、シーズンを通じても少しずつアジャストできた。それでこういう結果につながったんじゃないのかなというふうに思います。
――それは、先発に転向することが決まったからこその、新たな取り組みだったのでしょうか。それとも、中継ぎ時代から変わらず?
モイネロ 中継ぎ時代との差としては、(トレーニング)メニューの変化、ですかね。スローイングのメニューが多かったのを減らしたり、その分、ランニングなどの持久面のトレーニングが増えたというのがあります。
――やはり、それは先発で長いイニングを投げることを意識して、ですか。
モイネロ 自分の中では長いイニングを投げるというイメージは、そこまでなかったんです。例えば、5回とか6回とか、ある程度、先発としての役割が果たせれば、というところでした。もちろん1イニングでも多く投げたかったです。でも、日本に来てからは長いイニングを投げたことがなかったので、どのぐらい投げられるかというのが分からなかった。イメージだけでした。
――そもそも、以前から先発を望んでいた? その場合はいつごろからやりたいと思っていたのでしょうか。
モイネロ 日本に来る前は先発をやっていたこともありました。2024年で自分の契約が終わり(3年契約満了)だったということもあって・・・
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