大学・社会人ドラフト7巡目、全体では全57人中、55番目の指名だった。それでも競争、入れ替わりが激しい世界で今浪隆博は11年、戦い続けてきた。自らを知り、生きる道を模索する日々。ここ数年は病魔とも闘った。さまざまな葛藤から解放されたいま、現役生活を振り返る。 取材・構成=富田庸、写真=高塩隆(インタビュー)、BBM プレーと反比例する症状
キャリア10年目のシーズンに、病魔は突然襲ってきた。自ら症状をコントロールできないもどかしさに苦悩する日々。だからこそ、一般的には非情とも呼ばれる球団からの通告も、救いの手だと思えた。 ──まずは現役引退を決意するまでの経緯を聞かせてください。
今浪 一昨年(2016年)に病気になり、あとはケガですね。総合的に見て判断しました。(引退を)考え出したのは去年の4月くらいです。
──甲状腺機能低下症(橋本病)という病名とのことですが、何かきっかけはあったのでしょうか。
今浪 きっかけはないんですよ。お医者さんに原因を調べてもらったのですが、結局分からずじまいで。いつ発症したか、明確な時期もはっきりしないんです。明らかにおかしいと感じたのが一昨年の夏でした。
──どんな症状が出るのですか。
今浪 まずは体がむくむ。夏場で試合に出続けていたんですけど、体重が・・・
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