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島内宏明(元楽天) 引退惜別インタビュー 魅惑の生え抜きスター「星野仙一さんはこの世界に導いてくれた方」

 

唯一無二の存在感を放っていた。闘志むき出しというわけではなくともチャンスにめっぽう強く、口を開けば独特の感性でコメントする。ドラフト6位入団から1年1年進化を遂げ、生え抜き四番も務めた背番号35。ファンから愛され、球団史に名を刻み続けてきた男が、静かにバットを置いた。
取材・文=阿部ちはる 写真=川口洋邦、BBM

島内宏明[楽天/外野手]


闘将が目をかけた逸材 必死だった若手時代


 新年の突然の発表に驚いたファンも多かったはずだ。晩年はケガに泣かされ出場数が減っていたが、「ケガさえ治れば」という思いはファンだけではなく島内宏明自身も、抱いていただろう。2013年のリーグ優勝に大きく貢献し、長きにわたり楽天を支えてきた生え抜きスター。2度のタイトル獲得など輝かしい功績を残した背番号35の14年間を、たっぷりと振り返ってもらった。

――現役生活お疲れさまでした。いつごろ引退を決断されたのでしょうか。

島内 はっきりとは覚えていませんが12月に入る前には決めていました。このまま待っていても、僕が野球をできるところはないのかなと感じたので。

――引退発表は1月4日。星野仙一さんの命日でした。それもその時点で決めていたのでしょうか。

島内 はい。星野さんがいなかったらプロ野球の世界には入っていないと思いますし、この世界に導いてくれた方。一番最初に報告したかったというのはあります。

――星野さんとの印象的な思い出はありますか?

島内 直接何かを言われることはなかったです。ただ、星野さんが我慢して使ってくれましたし、楽天の監督を辞められたあとも気にかけてくれているという話は聞いていました。活躍ができたかどうかは分からないですが、星野さんのおかげでこのくらいの成績は残すことができたので、「感謝の気持ちでいっぱいです」と伝えたいですね。

――我慢して使ってくれたという言葉がありましたが、1年目は同期入団のルーキーでは唯一、開幕一軍入りを果たしました。期待の表れだったと思います。

島内 期待されていたかは分からないです。ただ、体力もなかったですし、プロのレベルに驚いたというのが正直なところです。大学までとは違い毎日試合があってたくさんのお客さんが入る。その緊張感の中でプレーしますから、みんなすごいところでやっているなと感じましたね。

――初出場は12年3月30日、ロッテとの開幕戦(Kスタ宮城)の9回、代走での登場でした。その後は一、二軍を行き来しながら、8月22日の同戦で初先発、初打席で初安打初打点をマークしました。

島内 少しずつボールに対応できるようになっていたとは思いますが、本当に体力がなく、最後の打席までしっかりスイングできるような感じではなかったんです。とはいえ体力どうこう言っていられないというか、必死でした。ウエート・トレーニングもシーズン中にやってしまうと体がきつい。3、4年目くらいまではがむしゃらにやっていた。

――翌13年の夏にはレギュラーとして活躍していた印象です。

島内 レギュラーと言っても九番ですから。

――恐怖の九番打者との異名が付くほどの活躍でした。

島内 主軸でもないですし、責任感もプレッシャーもあまりなかったですから。若かったですし思いっきりプレーしていた感じです。同期の岡島(岡島豪郎)は・・・

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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