オール社会人で編成された侍ジャパンU-23代表は、台湾で行われたU-23W杯で3大会ぶり2度目の優勝を遂げた。先発の柱で2勝を挙げ、最優秀投手とベストナインを受賞。世界一を奪取した左腕は、即戦力の期待が高まる。 取材・文=高木遊 
侍ジャパンのエースとして君臨し、金メダルを獲得。最優秀投手とベストナインを受賞した[写真=BBM]
10月20日。吉報を知ったのは、台北にある天母球場の廊下だった。ドラフト当日は、侍ジャパンU-23代表の一員として出場していたU-23W杯でオーストラリア戦に先発。スー
パーラウンド初戦を6回1失点で勝利投手となった。試合後、任意で選ばれるドーピング検査を終え、廊下を歩いていると、先に検査を終え、ネット配信を視聴していた仲間たちから歓声が挙がり、ドラフト指名に気づいた。
阪神からドラフト6位指名。独特な環境で運命の瞬間を迎えたが「信じられないという気持ちと、ここからがスタートなんだという気持ちでした」と、驚きとともにすぐさま責任感が芽生えた。
富田蓮の武器はストレートだ。最速は147キロだが、実戦では全力でも142キロほどだ。それでも、空振りやファウルで、あっという間に追い込むことができる。各チームの打者がことごとく差し込まれていたのがU-23W杯でも印象的だった。また、追い込めばカーブ、フォーク、チェンジアップ、スライダーといった変化球やクロスファイア(対角線上に投げ込むストレート)で三振を奪う能力にも長けている。
生命線であるストレートは決して速いとは言えないが、抑えられる理由は・・・
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