どの方向へも本塁打を打てる左のスラッガー。意識するのはもちろん、チームメートとなる1学年上の燕の主砲・村上宗隆だ。持ち前の長打力を磨き、その背中を追いかける。 取材・文=富田庸、写真=BBM 
ヤクルトから3位指名を受け、チームメートから祝福を受けた
ドラフト会議が行われた10月20日、大学球界屈指の左のスラッガーは約100人の野球部員とともに、中京大豊田キャンパス内の一室でテレビ中継を静かに見守っていた。3位で自らの名前が呼ばれるまでにさほど時間を要すことはなかったが、その中でもさまざまな思いが交錯した。
「1巡目で呼ばれず、悔しさがありました。そして2巡目が終わって悔しさが増してきて……。直後に(3位で)指名されて、ようやく頑張ろうと思えました」
直後の記者会見でたくさんのフラッシュを浴びても、最後まで満面の笑みを浮かべることはなかった。それでも自身のバッティングについて聞かれると、その日焼けした精悍(せいかん)なマスクがグッと引き締まったように見えた。
「インパクトの強さはほかの誰にも負けません。毎打席、ホームランを打つためにどうすべきか。大学では一つの目標に向けて、貪欲に取り組んできました」
中京大中京高(愛知)では2年時に甲子園出場。広陵高(
広島)との1回戦に敗れたものの、三番・右翼として出場して1安打をマークしている。そのときに一緒にプレーしたのが1学年上の
伊藤康祐で・・・
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