リーダーシップが旺盛。主将になるために生まれてきたようなプレーヤーだ。常に広い視線で周囲を見渡し、より良い方向へと導く洞察力。チームには欠かせない戦力であり、将来の球界を担う人材である。 取材・文=佐伯要、写真=田中慎一郎 
巧打堅守の三塁手としてフォア・ザ・チームに専念するのがプレースタイルだ
「僕に、主将をやらせてください」。それは、異例の立候補だった。
6月21日、侍ジャパン大学代表の選考合宿が始まる直前。同チームの指揮を執る生田勉監督(亜大監督)と野村昭彦コーチ(環太平洋大前監督)は、バッティングパレス相石スタジアムひらつか(神奈川県平塚市)の外野フェンスに沿って、ウオーキングをしていた。
そのとき、筑波大の主将で、三塁手の
篠原涼が2人に走り寄り、合宿に参加する49人のまとめ役となることを申し出た。生田監督は「今の若者にも、堂々と言える子がいるんだ」と驚き、「頼もしい」と感じたという。
生田監督から「主将はこちらで決めるけど、選考合宿でみんなをまとめてくれ」と言われた篠原は、ランニングで先頭に立ったり、練習や紅白戦で大きな声を出したりして、選手たちを引っ張った。
宿舎では13部屋すべてを回り、48人全員と会話した。そのコミュニケーションの秘けつを聞くと、篠原は答えた。
「表情を明るくする。それと、出身地や出身校、その人の特徴を知る。共通の知り合いなど、話題を探して、話しました」
生まれながらのリーダーだ。小学校から大学まで、所属するチームで主将を務める。高校3年の夏には、侍ジャパンU‐18代表でも主将を任された。
「小さいころから、目立ちたい、人に負けたくないという気持ちがありました。一番目立つのは・・・
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