投手分業制の時代にあって、ブルペンの力量が結果を左右する。全試合、いつでも行けるようにブルペンでスタンバイ。心身ともに、タフなサウスポーだ。 取材・文=依田真衣子 
ピンチでも冷静さを失わず、自身の投球に専念する。こうした気持ちの充実も、練習の賜物と言える[写真=BBM]
岩手県の沿岸部にある山田町に生まれた
加藤三範は、野球ができることに感謝しながらマウンドに立っている。ENEOSに入社してまもなく1年が経つが、両親をはじめ、自身を支えてくれた人々への思いは、年々強くなっている。
小学校6年生だった2011年の3月11日、東日本大震災の被害に遭った。卒業式、入学式も通常時とは程遠く、野球ができる状況ではなかった。それでも両親は、背中を押してくれた。野球人生を振り返る加藤は、しみじみと語る。
「そうやって今まで、僕にはサポートしてくださったり、応援してくれる方がずっとそばにいたんです」
最速147キロ左腕として、ドラフト候補にも名前が挙がる。取り巻く環境が変わっても、真摯な姿勢は変わらない。
花巻東高時代は、2年夏に甲子園のマウンドに上がった(3回戦敗退)。同校OBには同じ左腕の
菊池雄星(21年はマリナーズ)がおり、事あるごとに比較されてきた。「僕にとっては・・・
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