世代トップと言われた強肩は、昨夏の甲子園で評価を高めた。ただ、その武器も“高校レベル”の話で、自らも理解している。武器を武器とするために、明確な意識を持って汗を流す日々。次代の正捕手を目指す18歳のルーキーは、一軍戦力となるべく、腕を磨き続けている。 取材・構成=鶴田成秀 写真=上野弘明 
堀柊那[捕手/1年目/19歳]
小さくコンパクトに
求めるものは強さばかりではない。18歳のルーキー捕手は、自らの武器に+αを与えるための進化を目指している。プロの世界で生き抜くための技術習得へ。取り組んでいることを言葉にできることが、真摯(しんし)に自分と向き合う姿を映し出す。 ──野球が仕事となり、野球漬けの毎日は、いかがですか。
堀 自分があこがれていたプロ野球選手になれて、好きな野球をやれていることがまず一番、幸せなことだなって思います。でも、先輩のキャッチャーの壁が高いとも感じていて。少しでも早く追いつけるように毎日、練習を頑張っています。
──高い壁に挑むにあたり、まず磨いている部分は何でしょう。
堀 やっぱりキャッチャーで勝負するには、守備が大事。バッティングも、打てるに越したことはないんですけど、まずは守備だと考えているので、今はキャッチャー練習をメインでやっているんです。
──一口に守備といっても捕球、送球に加え、ブロッキングにリード・配球など、求められることは多岐に渡りますが、主眼に置いていることは何ですか。
堀 う~ん、全部なんですけど、中でも練習では2つのことを意識して取り組んでいて。1つはストップ(ブロッキング)。ワンバウンドの変化球もしっかり止められるように。ピッチャーがしっかり腕を振って変化球を投げるには、しっかり止める必要があるので。キャッチャーはピッチャーに信頼されてこそだと思っているので意識して練習しているんです。
──もう1つは。
堀 送球です。肩の強さは自信があるんですけど、強いだけではダメ。捕ってからの早さも必要だし、コントロールも正確さが求められる。より安定した送球ができることを目指しています。
──安定感を求めているのは、イニング間の送球時に動作を確認するしぐさからも見て取れますが、意識的に確認しているポイントはどこになるのでしょう。
堀 そこも1つではないんですけど、まずはステップ幅です。あまり広くならないように。広くなると、捕ってからの速度も落ちてしまうので。あとは体を小さく使うことなんです。体をコンパクトに使って投げることで・・・
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