急成長ぶりには目を見張るものがある。ルーキーイヤーの昨季、主戦場は三軍だった。それから1年もたたずに、ファームで12球団屈指の安定感を披露。防御率0点台左腕は、“吉報”に向けて自分のペースを貫く。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM 
前田純[投手/育成2年目/24歳]
今年に入ってからソフトバンクでは野手4人が支配下昇格を果たしたが、投手はゼロ。ただ、期待を抱かせる存在がいないわけではない。開幕から登板を重ねる中でしっかりと試合をつくってきた育成2年目の左腕は、5月は2戦2勝、16イニングを投げて防御率0.00で、月間MVPにも輝いた。着実に2ケタ背番号に近づいていると言っても過言ではない。 ──6月20日現在、10試合に登板して防御率は0.96。開幕から安定した投球を続けています。
前田純 練習で意識している部分が試合につながって、安定して投げられています。このまま続けていけたらいいなと思っています。
──具体的に意識していることとは?
前田純 何て言うんですかね、体で回って腕が振られるという感じで、脱力して投げるというところを意識しています。オフシーズンに和田(
和田毅)さんの自主トレに参加した際にアドバイスをいただきました。僕の場合、どうしても身長が大きい分、上で上で投げようとしてしまっているから、意識をもっと下に持ったら下半身で投げられて、腕の力なんて必要なくなる、と。それをキャッチボールから意識するようになって、だいぶハマっている感じです。
──そういう意識というのは今までもあったのでしょうか。
前田純 考えたこともなかったです。でも、試してみて徐々にタイミングが合ってきたら、別に力んで投げてもいないのに球がいく。これはバッターからしても急に強い球が来る感覚があるので、打ちづらいのかなと思いますね。
──実際に打者の反応はいかがですか。
前田純 真っすぐばかり投げていたら合わせられてしまうんですけど、そこに変化球を交ぜることによって、うまく打者に対応できているなと。腕が振られる感覚なので、変化球にしても(投げるときに)差がない。チェンジアップも振ってくれますし、それで真っすぐに対応しようとしたら詰まりますし。
──投球スタイルからして1年目とはまったく違う中での好成績なのですね。
前田純 1球1球の心持ちも変わりました。体力的なところでも、同じイニングを投げても・・・
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