異国で戦う外国人選手にとって、その存在は家族と同じぐらいの比重を占めているかもしれない。昨シーズンから通訳兼広報として献身的にチームを支え続け、選手たちからの信頼も厚い25歳。日本とアメリカを股にかけ、紆余曲折の末にたどり着いた現在の職場。豊富な経験を最大限に生かし、今日も選手たちのためにグラウンド内外を駆け回っている。 取材・文=松井進作 写真=福地和男 
チーム統轄本部ファーム通訳兼チーム広報◎25歳/勤続1年9カ月
昨年の8月28日のオリックス戦[宮崎]で通訳を担当していたロドリゲスが来日初勝利をマークしたときの記念の1枚(本人提供)
二人三脚で育んだロドリゲスとの深い絆
寺嶋さんにはいまも忘れられない試合がある。昨シーズンの8月28日のオリックス戦(宮崎)。それは現在の職に就いた当初「自分は何をすべきなのか、選手のためにいったい何ができるのか」と自問自答する日々の中で、1つの答えが見えた夜になった。
来日1年目ながら2018年シーズンの開幕投手を任されたのは新助っ人の
ブライアン・ロドリゲス。だが12球団屈指の破壊力を誇るライオンズ打線に打ち込まれ、3回途中8失点で悔しいKO……。その後は一軍に何度か呼ばれるも結果を出せず、長い二軍暮らしが続いた。そこで通訳として二人三脚でロドリゲスをサポートし続けたのが寺嶋さんだった。最初は言葉も通じず、野球でもなかなか成績を出せないこともあり、ロドリゲスはゲームや練習時間以外は自宅に引きこもりがちだった。少しでもその環境を改善するために、寺嶋さんは頭を悩ませながら奔走。休みの日には・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン