児童養護施設で子どもたちと衝撃の出会い

ミャンマーで野球の普及活動に尽力している岡本社長
かつて
西武の投手でプレーし、現在は教育・人材育成会社「L.M.K」の
岡本篤志社長がミャンマーで野球の普及活動に情熱を燃やしている。
昨年はミャンマーに計6度訪れて野球のミャンマー代表を指導したり、子どもたちに野球教室を開催。今年も1月に宮崎大野球部の部員たちと普及活動でミャンマーに出向き、今月24日も再び現地へ出発した。
「ミャンマーが好きなんです。昔の日本みたいな雰囲気ですね。優しい人間が多い。あとは野球に恩返ししたい気持ちが強いです。サッカーに比べると野球は世界的にマイナースポーツ。子どもたちは野球の楽しさに触れてほしいし、代表チームが強くなってほしい」と熱弁した。
岡本社長は2016年に西武で現役引退。12年間のユニホーム生活に別れを告げた。「海外で仕事をしたかった」と考えていたところに、ブロイラー会社「エビス商事」(本社・宮崎県都城市)の仲介でミャンマーの野球普及活動を紹介された。東南アジアの国という知識しかなかったが、現地の児童養護施設を訪れて衝撃を受けた。
「幸せな生い立ちとは言えない子どもたちが多いイメージだった。暗いかなと思ったのですが全然違いました。みんな目を輝かせて手を挙げて野球の質問をしてくるし、全体練習が終わった後もキャッチボールしたり、一生懸命なんです。身体能力も高い子が多い。野球に打ち込むことで非行防止だけじゃなく、上のステージでプレーしてほしい。その手助けをしたいと強く感じたんです」
ミャンマーで一番人気があるスポーツはサッカー。だが、ミャンマー野球連盟は強化に力を入れており、競技人口は徐々に増えているという。プレー水準も徐々にだが上がり、現在は四国アイランドリーグplus・徳島でゾーゾー・ウー投手(28)がプレー。
巨人・
杉内俊哉投手を目標にする左腕は13年に来日して香川、徳島で5年間プレーしている。
岡本社長は「ゾーゾーの活躍も子どもたちに大きな勇気を与える。スポンサー集めなどやることはたくさんあるが、自分のできる限り尽力していきたい。将来はNPBでプレーするミャンマーの選手が誕生すれば最高ですね」と思いをはせた。
記事・写真提供=ココカラネクスト編集部 平尾類