慶応高・生井惇己[投手/3年]
「陸の王者」を9年ぶりの甲子園に導いたエースだ。
関東大会では拓大紅陵との1回戦で先発し、5回1失点。事実上のセンバツをかけた国学院栃木との準々決勝では2失点完投勝利で、聖地を引き寄せた。
1年前の悔しさが原動力だった。勝てばセンバツ出場が確実となる準々決勝で、当時のエース・
森田晃介ら尊敬する先輩たちがサヨナラ負け。生井はブルペンで準備したが出番はなく、チームの力になれなかった。
背番号1を初めて着けた昨秋の県大会では6試合、40回1/3で50奪三振をマーク。圧巻は1対0で勝った鎌倉学園との準決勝。準々決勝で横浜を破って勢いに乗っていた古豪を相手に、14奪三振で完封してみせた。
常総シニア時代に、選抜チームで
下山悠介や宮尾将と知り合った縁で「一緒に甲子園へ!」と「エンジョイ・ベースボール」を掲げる慶応の門を叩いた。
その夢をかなえ、お世話になった先輩たちが届かなかった甲子園に乗り込む。恩返しのために、聖地のマウンドで躍動する。
写真=BBM