プロ野球史を彩ってきた数多くの名選手たち。生まれた世代ごとに週刊ベースボールONLIN編集部がベストナインを選定して、“史上最強世代”を追いかけてみる。 圧倒的なパ・リーグ勢
21世紀のパ・リーグをリードしている3人の三塁手が並ぶ1983年に生まれた世代。タイトルで群を抜くのが本塁打王6回、打点王3回の“おかわり君”中村剛也だ。優勝経験で圧倒するのが“熱男”
松田宣浩。黄金時代を謳歌する
ソフトバンクのホットコーナーだ。
この2人を試合出場数で上回っているのが
今江年晶(敏晃)。
楽天では一塁も増えているが、
ロッテ時代に4年連続でゴールデン・グラブに選ばれた名手だ。ここでは今江を三塁に据え、やや守備に不安がある中村を指名打者に、松田はVイヤーの10年に13試合だけ経験がある外野へとコンバート。いずれも打線に欠かせない打棒の持ち主で、世代の顔とも言える存在感をも兼ね備えている。
【1983年生まれのベストナイン】(1983年4月2日~84年4月1日生まれ)
投手
金子千尋(
オリックス)
捕手
齋藤俊雄(オリックスほか)
一塁手
ホセ・ロペス(
DeNA)
二塁手
根元俊一(ロッテ)
三塁手 今江年晶(楽天)
遊撃手
寺内崇幸(
巨人)
外野手
栗山巧(西武)
松田宣浩(ソフトバンク)
飯原誉士(
ヤクルトほか)
指名打者 中村剛也(西武)
バッテリーはオリックスからで、エースの金子千尋と、現在は育成コーチとなっている齋藤俊雄のコンビ。金子は14年に最多勝と最優秀防御率の投手2冠とMVPにも輝いたエース右腕で、この世代における顔の1人だ。
リリーフエースもオリックスから。18年からはダイヤモンドバックスでプレーしている
平野佳寿だ。セットアッパーもパ・リーグ勢から2人。クローザーにも適性がある
青山浩二(楽天)、横浜とオリックスでは先発として1度ずつ12勝を挙げた
寺原隼人(早人。ソフトバンク)が同世代で、先発の層が厚くないこともあり、寺原は先発ローテーションの一角として計算したいところだ。
野手では、勝負強い打撃も光る根元俊一が二塁に。外野の要となりそうなのが栗山巧だ。やはり勝負強い打撃に加え、08年には最多安打に輝いたヒットメーカーでもある。
貴重な左腕は育成出身セットアッパー
セ・リーグからは、17年に最多安打と打点王のタイトルを獲得して、DeNAで2年連続クライマックスシリーズ進出の立役者となったロペスが一塁に。ゴールデン・グラブ3度の守備も持ち味で、遊撃には巨人から守備職人の寺内崇幸を据えた。
外野の残る1人には、18年も独立リーグで現役を続ける飯原誉士を据えたが、外野フェンス際のスーパーキャッチで鳴らす
天谷宗一郎もいる。内外野ともに、守備には不安はなさそうだ。
代打の切り札として存在感を発揮している左打者の
武内晋一(ヤクルト)も同世代で、一塁に外野もこなせる貴重なバックアップと言える。
投手陣には巨人から好投手が2人。先発タイプでは右腕の
大竹寛(巨人)がいて、金子と寺原との先発三本柱となりそう。貴重な左腕はセットアッパーとして育成出身の選手で初めて新人王に輝いた山口鉄也。ここでも中継ぎの柱として、オリックスの2人をつなぐ存在となりそうだ。最多セーブ2度のバーネット(ヤクルト)も同世代で、先発とは対照的にリリーバーは盤石と言えるだろう。
やはり試合の中盤までにリードしておくことが勝利の条件となりそうだ。上位打線の今江や栗山らが出塁し、中村の本塁打やロペス、松田の勝負強い打撃で、早めに得点を稼いでおきたい。中盤からは盤石のリリーフ陣で逃げ切るのが勝ちパターンになりそうだ。
写真=BBM