
勝利者インタビューで笑顔を見せる金村
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月8日だ。
2001年最下位に終わり、さらに
片岡篤史、ウィルソンと打の看板が2人抜けた
日本ハム。翌02年の前評判は高くなかった。
それでも
大島康徳監督の下、前半戦は4位ながら僅差で上位に食らいついていた原動力の1つが、ハーラートップタイの9勝を挙げていた
ミラバルだった。
しかし7月8日、そのミラバルの右手中指骨折が発覚。2日の近鉄戦の登板中、激痛が走って降板していた。
その8日の先発が現
阪神コーチ、
金村曉だった。
試合前のミーティングでミラバルの離脱を聞き、燃えた。
「はっきり言ってチームには痛い。でも、それならば俺が彼の分までやらなければと言い聞かせました」
当時、メンタルトレーニングにも熱心だった金村は「心で俺が一番だと言い聞かせる。ピンチをチャンスと思いながら」攻めの投球を見せた。
結果、東京ドームで近鉄相手に130球、3失点完投勝利。00年4月30日以来、実に799日ぶりの完投だった。
1998年に最優秀防御率を獲得しながら、以後は故障にも泣き、なかなか結果を出せなかった金村だが、この年、プロ初の2ケタ勝利、10勝を挙げている。
写真=BBM