独特の投球フォームは打者を翻弄する上で大きな武器になる。「マサカリ投法」の
村田兆治、「トルネード投法」の
野茂英雄、投球する際に捕手を見ない
岡島秀樹などは球界を代表する投手として名を刻んでいる。以下の選手たちも変則フォームを武器にして活躍を期す。
※数字は昨季の成績 巨人・高梨雄平
※44試合登板 1勝1敗2セーブ21ホールド、防御率1.93
社会人野球・JX-ENEOSでスリークォーターからサイドスローにフォーム改造して素質開花。球の出どころが見づらいフォームでリリースポイントも打者に近いため、球種の見分けがつきにくい。
楽天でセットアッパーとして活躍し、シーズン途中にトレードで巨人に加入した昨季はリーグ連覇に貢献。今季も救援陣に不可欠な存在だ。
阪神・青柳晃洋
※21試合登板 7勝9敗、防御率3.36
投球時に右腕を地面と水平よりも下から出すフォームで、サイドスローとアンダースローの間の「クォータースロー」と呼ばれることも。球威十分の直球にスライダー、
シュートと横の揺さぶりでゴロアウトが多いのが特徴だ。今季は自身初の2ケタ勝利を狙う。
中日・マルク
※3試合登板 0勝0敗、防御率12.00
左手のグラブを大きく上げて跳ねるように投げるフォームで、テークバック際の右手の独特な使い方が話題になった。2018年、育成ドラフト2位で入団すると、ファームで安定した投球を続けて昨年9月に支配下登録。一軍デビューを飾った。プロ4年目の今季は救援で登板機会を増やしたい。
DeNA・池谷蒼大
※新人
ドラフト5位で入団した即戦力左腕。投球時に右足を上げた際、グラブの中で球を握りながら両手を突き上げるダイナミックなフォームが武器で、最速147キロの直球で打者をねじ伏せる。社会人野球・ヤマハでフォーム改造して現在の姿に。救援で一軍定着を目指す。
広島・薮田和樹
※28試合登板 1勝2敗2ホールド、防御率4.60
テークバックが小さい投球フォームから150キロを超える直球、落差の大きいツーシームで打者を打ち取る。17年に15勝3敗と大活躍で最高勝率(.833)に輝いたが、翌18年以降は制球難に苦しんでいる。昨季は救援で復調の兆しを見せた。今季につなげられるか。
ヤクルト・小川泰弘
※20試合登板 10勝8敗、防御率4.61
メジャー通算324勝右腕のノーラン・ライアンを参考にした左足を大きく上げるダイナミックな投球フォームで、「和製ライアン」の異名を持つ。新人の2013年に16勝をマークして最多勝を獲得すると、先発ローテーションの柱として奮闘。昨年は5年ぶりの2ケタ勝利を挙げた。オフにFA権を行使したが、ヤクルト残留を決断。エースが投手陣を牽引する。
写真=BBM