
韓国球界からNPB入りし、横浜、中日で大砲として活躍したウッズ
助っ人外国人で多いのが、韓国リーグを経由して日本にやってくるケース。今年の新外国人では、
ヤクルトが獲得した
アンドリュー・スアレス、
西武が獲得した
ボー・タカハシが、この例に該当する。今回は、これまでにどんな「韓国経由の助っ人」がいたのか、また、特に活躍した選手もピックアップして紹介する。
失敗も多い韓国経由の助っ人
早い段階で、韓国球界経由の助っ人に目を付けたのは
巨人。1999年に三星ライオンズで19セーブを挙げた
ホセ・パーラを「お試し」という意味も込めて獲得している。残念ながら2勝止まりでチームを去ることになったが、2005年には
オリックスに入団。しかし、4勝に終わり、この年限りで退団となった。
巨人は2003年にも斗山ベアーズから
ゲーリー・ラス、2014年にはSKワイ
バーンズで最多勝投手となった
クリス・セドンを獲得。セドンは初登板で15奪三振とインパクトを残したが、残念ながらラスもセドンも1年で退団した(ラスは
パーラ同様、後に再度NPB入りしている)。
投手では、ほかにヤクルトが獲得した
ダニエル・リオス(2008年加入)やデビッド・ハフ(2018年加入)、
楽天の
ケルビン・ヒメネス(2011年加入)、西武の
アンディ・バンヘッケン(2016年加入)が挙げられる。また、昨季で巨人を退団した
エンジェル・サンチェスも韓国経由で日本にやってきた助っ人投手だった。
韓国野球のスターを獲得している阪神
ここ数年、阪神は韓国球界から何人ものスター外国人を獲得している。まずは現在も阪神に在籍しているメル・ロハス・ジュニアだ。KTウィズ時代の2020年に本塁打と打点の2冠王になり、シーズンMVPを獲得。鳴り物入りでの阪神入団となったが、1年目は本領発揮とはいかず。2年目の活躍が期待されている。
同じく現在も阪神所属の
ラウル・アルカンタラも、斗山ベアーズ時代の2020年に20勝を挙げ、全球団勝利も達成した選手。阪神では主に中継ぎで起用され、要所を締めるピッチングを披露。今季は先発として実力を見せつけたいところだ。
また、昨季で阪神を退団した
ジェリー・サンズも韓国時代には最多打点のタイトルを獲得した選手。要所要所では活躍してくれた選手だが、チームの期待に応えられたとはいえなかった。2018年入団の
ウィリン・ロサリオは、ハンファ・イーグルス時代に2年連続で打率3割、30本塁打、100打点を記録したスター。しかし、日本では活躍できずに1年で退団している。
ウッズやグライシンガーは日本でも活躍
苦戦している韓国経由の助っ人が多いが、予想以上の活躍を見せてくれた選手も少なくない。まずは横浜や中日でプレーした
タイロン・ウッズだ。斗山ベアーズで2冠王になった後に、2002年オフに横浜に入団。MLBで活躍した
スティーブ・コックスとの同時入団で、当初はコックスの方が評価されていたが、ウッズは2年連続本塁打王、コックスは1年で退団と明暗が分かれた。その後、ウッズは中日に移籍し、2006年に本塁打と打点の2冠を獲得。NPB在籍6年で240本塁打と圧巻のパワーを見せつけた。
投手では2007年に起亜タイガースからヤクルトに入ったセス・グライシンガーが挙げられる。韓国で通算20勝を挙げていたグライシンガーは、日本でも好投を見せ、いきなり16勝で最多勝のタイトルに輝いた。翌2008年に巨人に入り、17勝で2年連続最多勝を獲得。2009年にも13勝をマークするなど、NPB通算64勝42敗と活躍した。ほかには、昨季限りでヤクルトを自由契約になった
リック・バンデンハークも、韓国でプレーした後に
ソフトバンク入り。日本では7シーズンで43勝と、先発ローテーションの一角として長くプレーした。
ほかにも、韓国リーグを経由して日本にやってきた助っ人では、西武やオリックス、楽天など複数のチームを渡り歩いた
ホセ・フェルナンデスも「優良助っ人」だったといえる。
韓国リーグを経由して日本にやってきた助っ人を紹介した。今シーズンは、韓国からアンドリュー・スアレスと、ボー・タカハシの2人が助っ人として日本球界にやってきた。ウッズやグライシンガーのように、日本での活躍を期待したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM