阪神の
岡田彰布監督が就任し、今月16日に大阪市内のホテルで会見が行われた。岡田監督は2004~08年の5年間監督として指揮を振るい、05年にリーグ優勝を飾っている。15年ぶりに監督に復帰し、「前回ね、(03年の)優勝チームを率いたのでものすごくきつい部分があったんですよね。今回のほうが楽しみですね。もう少し肉付けをすればとかね。個人がレベルアップすれば、チームが変わるんじゃないかと強く思っているので」と手応えを口にしている。戦力補強が注目されるが、現有戦力を底上げしなければ18年ぶりのリーグ優勝に到達できない。
梅野隆太郎、
秋山拓巳、
糸原健斗…中堅選手たちは岡田新監督の下で輝けるだろうか。
不完全勝に終わった今季

阪神・梅野隆太郎
・梅野隆太郎
今季成績100試合出場、打率.228、4本塁打、25打点、2盗塁
通算成績886試合出場、打率.234、44本塁打、269打点、36盗塁
近年は
坂本誠志郎に先発マスクを譲る機会が増えている。今季は5月に右脇腹の筋挫傷で戦線離脱したことも影響して規定打席に到達できず、不完全燃焼に終わった。18年から3年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得し、強肩でブロッキング技術、フレーミング技術にも定評がある。捕手としての資質は非常に高く、求められる水準は高い。打撃もスイングスピードが速く、広角に長打を打てるだけに、今季の打撃成績は物足りない。プロ10年目の来季は攻守で存在感を示し、不動の正捕手に返り咲くことができるだろうか。
直球を磨き直して

阪神・秋山拓巳
・秋山拓巳
今季成績5試合登板、1勝3敗、防御率5.48
通算成績132試合登板、49勝43敗、防御率3.60
2020年から2年連続2ケタ勝利と先発ローテーションで稼働。今年の春季キャンプでは左足を上げた際、体にひねりを加えた新フォームに改造した。最多勝を目標に掲げていたが、わずか1勝のみ。5月12日に登録抹消されると、先発陣が充実していることもありファーム暮らしのままシーズンを終えた。身長188センチの長身から投げ下ろす直球は140キロ台前半と決して速くないが、打者の手元でホップするような軌道で、フライアウトの山を積み重ねる。抜群の制球力と多彩な変化球も持ち味だが、持ち味の直球をもう一度磨き直して、岡田監督の信頼を取り戻したい。
正二塁手争いを勝ち抜く

阪神・糸原健斗
・糸原健斗
今季成績132試合出場、打率.247、3本塁打、36打点、2盗塁
通算成績672試合出場、打率.273、12本塁打、190打点、22盗塁
プロ6年目の今季は規定打席をクリアしたが、打率は自己ワースト。得点圏打率.206、出塁率.307も満足できる数字ではない。パンチ力のある打撃に加え、二塁、三塁、一塁と内野の複数ポジションを守れるため首脳陣にとってはありがたい存在だが、岡田監督は各選手の守備位置を固定する方針を明らかにしている。内外野を守れるユーテリティープレーヤーは例外だが、
佐藤輝明が三塁、
大山悠輔が一塁に固定されることで、糸原は二塁のレギュラー争いで勝ち抜かなければいけない。
セットアッパーとして復活を
・馬場皐輔
今季成績7試合登板、0勝1敗、防御率5.14
通算成績87試合登板、5勝3敗19H、防御率3.72
テークバックがコンパクトな投球フォームから豊富な変化球を駆使し、打者を翻弄する。2020年は32試合登板で2勝1敗9ホールド、21年は44試合登板で3勝0敗10ホールドと救援として活躍したが、今季は登板機会が激減。「勝利の方程式」として稼働した
湯浅京己、
浜地真澄の台頭もあり、ファーム暮らしが長かった。背番号「18」を背負うドラ1右腕は意地がある。セットアッパーとして復活なるか。
写真=BBM