「特別なユニフォームです」

侍ジャパン社会人代表選考合宿に参加したENEOS・田澤はランニングで汗を流した
ENEOS・
田澤純一が6月24日、侍ジャパン社会人代表選考合宿に参加した。第19回アジア競技大会(中国・杭州、9月23~10月8日)に出場するメンバー24人の選考が目的(合宿には39人選出)で、26日まで行われる。
投手陣は各自でのメニューが任されたこの日、田澤はランニング、ウエート・トレーニングで汗を流した。右肩のコンディション不良の影響により、ノースローだった。現状の調整具合から、合宿の見送りも検討したが、侍ジャパン社会人代表チーム側からの「来てほしい」との打診を受けて、参加した背景がある。
田澤は横浜商大高から新日本石油ENEOSに進み、入社4年目、2008年の都市対抗優勝に貢献。その後はメジャー・リーグへ挑戦し、台湾、メキシコなどでプレーし、昨年9月、14年ぶりに古巣・ENEOSに復帰した。
「アメリカの野球、海外でやってきたことを少しでも伝えられれば、と考えています。この年齢(6月で37歳)で選ばれるか分かりませんが、まずは自分のできることをやる。選んでいただければ、チームに貢献したい」
ENEOS・
大久保秀昭監督は田澤が復帰した当初から、自チームにとどまらず、社会人球界全体への、多くの発信を期待していた。今合宿に参加した選手からすれば、元MLB選手の生の声が聞けるのは貴重な機会だ。侍ジャパン社会人代表を指揮する石井章夫監督は「周りへの効果だけではなくて、第一線でもう1回、戦ってほしい」と、あくまでも戦力として、今回の選考合宿に招集している。
田澤は日の丸への思いを語る。
「社会人3年目にジャパンでプレー(2007年、IBAFワールドカップ、台湾、銅メダル)させていただきましたが、(翌年の)海外に挑戦するきっかけになった特別なユニフォームです」
3日間の選考合宿を終えると、都市対抗開幕を7月14日に控える。ENEOSは同社3度目の連覇がかかっており、開幕試合の1回戦でバイタルネットと対戦する。田澤は「間に合えばいいと思う」と、右肩の調子を見ながら、チームのために、最善の準備していく。
文=岡本朋祐 写真=BBM