監督としても存在感

さまざまなパフォーマンスで人気を博したラミレス
プロ野球の打者にとって、ひとつの達成である通算2000安打。初めて
巨人の“打撃の神様”
川上哲治が到達して以来、長きにわたって日本人の打者が独占してきた領域だった。そこに初めて足を踏み入れた助っ人がアレックス・ラミレスだ。
プロ野球でプレーしたのは13年間。近年は助っ人の移籍も珍しくなくなってきたが、ラミレスは3チームでプレーしている。最初のチームは
ヤクルトで、7年間。続いて巨人に4年間、そして
DeNAで2年間、この13年目に通算2000安打に到達している。来日は2001年。当初は四番を打っていた
ロベルト・ペタジーニに続く存在という印象もあり、むしろ本塁打を放った後のパフォーマンスに注目が集まっていた。ラミレスがやってみせたのは志村けんさんのギャグ「アイ〜ン」。これは、この助っ人と少年ファンの距離をグッと近づけた。
ペタジーニがヤクルトを去ると、3年目の助っ人は四番に定着して189安打、40本塁打、124打点で最多安打、本塁打王、打点王。122打点で2度目の打点王に輝いた07年にはプロ野球の右打者として初めてシーズン200安打を突破している。ヤクルト通算1184安打は歴代の助っ人では最多になるが、ここで巨人へ移籍。新天地でも「ゲッツ!」などのパフォーマンスは健在だったが、迎えた08年は125打点で2チームにまたがる2年連続の打点王にMVP、翌09年の移籍2年目には打率.322で初の首位打者で2年連続MVPと、打撃は進化していった。
その翌10年も、いずれも自己最多となる49本塁打、129打点で本塁打王、打点王の打撃2冠。6年連続で全試合に出場していたことも助っ人としては出色だ。12年に移籍したDeNAでも
中畑清監督のお株を奪う(?)「絶好調!」のパフォーマンスがあったが、もはやラミレスの存在はレジェンド。2年でチームを去ったものの、16年には監督として復帰して、翌17年にはチームを日本シリーズ進出に導いている。監督としても存在感を示したラミレスだったが、もちろん選手としては別格。助っ人の通算成績で本塁打は2位、打率では5位だが、2017安打はもちろん、1272打点もトップだ。
写真=BBM