4年生が結束し迎えた最終戦

明大は法大2回戦で勝ち点4として有終の美を飾った[左から村田、主将・上田、蒔田。写真=矢野寿明]
[東京六大学秋季リーグ戦第7週]
10月23日(神宮)
明大4-2法大(明大2勝1敗)
85年ぶりのリーグ4連覇を逃した法大2回戦。試合後の取材対応で、明大の主将・
上田希由翔(4年・愛産大三河高)はいつもと変わらず、淡々と報道陣の質問に答えていた。この試合で、歴代4位タイの73打点記録したが「いくら打点を挙げても、チームが勝たなければ、意味がない」と、まったく興味を示さなかった。チームリーダーとして当然である。
終始、毅然とした対応を見せていたが、その後の選手ミーティングで上田は「何も覚えていないです」と、悔し涙を流し続けたという。そこで4年生右腕・
蒔田稔(九州学院高)が内幕を明かした。「(3回戦は)しっかりとした形で、後輩につなげるために頑張ろう」。
上田は言った。
「(1学年上の主将)村松さん(開人、
中日)、(1学年上の正捕手だった)蓑尾さん(海斗、Honda熊本)から連絡がありまして……。自分が1年生だったときの4年生で副将・清水風馬さんからも『思い切って、悔いなくやれ!!』と言葉をいただき、励みになりました。1打席、1打席、後ろにつなぐことだけを考えていました」
リーグVは逃すも、法大との「対校戦」を残していた。4年生が結束し、最終戦を迎えた。
明大は法大3回戦で逆転勝利。2点ビハインドを4回表に斉藤勇人(4年・常総学院高)、榊原七斗(1年・報徳学園高)の適時打で追いつくと、7回表には四番・上田の適時三塁打で勝ち越し、木本圭一(2年・桐蔭学園高)のタイムリーでリードを2点に広げた。
上田は歴代単独4位の74打点とし「(シーズンを通して)チームを救う打撃ができなったが、最終戦はこう終われた。少しでもチームに貢献できたかな、と。後輩にも良い形でつなげられたと思います。今日は(寮長の)斉藤がタイムリー、(副将の)
菅原謙伸(4年・花咲徳栄高)がマスクをかぶり、4年生が引っ張ってくれた。後輩たちに良い姿を見せられたと思う」と笑顔で話した。
今季は開幕から調子が上がらなかったエース右腕・
村田賢一(4年・春日部共栄高)が5回2失点と粘り、本来の躍動感ある姿を取り戻した。復調の要因を問われると、言った。
「今日で6連投目(村田は法大1回戦で出場機会がなく、2、3回戦で登板)なんですけど、投げ込んで、投げ込んで、つかんでいきました。平常心。今までのことを忘れて臨みました。もがき苦しんだ経験値は自分の財産になると思うので、これを、生かしていきたい」
指揮官は「素晴らしい4年生でした」

明大・蒔田は法大2回戦で規定投球回に達し、防御率0.68の暫定トップでシーズンを終えた[写真=矢野寿明]
仲間をアシストする登板でもあった。蒔田の最優秀防御率のタイトルがかかった一戦で、規定投球回をクリアするには、1回2/3以上が必要だった。村田は「蒔田につなぐ投球」と腕を振り、6回は
浅利太門(3年・興國高)が1イニングを投げ、蒔田は7回から2イニングを無失点に抑えた。そして、最後は4年生トリオとして切磋琢磨してきた左腕・
石原勇輝(広陵高)がきっちりと締めている。
26回1/3で失点2、自責点2で防御率0.68とした蒔田はチームメートに感謝した。
「自分は3年夏の甲子園を逃していて(熊本大会決勝で熊本工高に敗退)、今回、このタイトルを逃したら一生後悔し続ける、と思って、打者との勝負に入り込んでいました。3年春以降、結果を残せず、この春もチームに貢献できなかった。1回落ちた不調はすぐには戻らない。2~3カ月継続してやることが大事かと思い、全体練習後も居残って一人でノックを受け、休日もジムに通っていました。まだ、(タイトルを)取れるかは分かりませんが、結果として実を結んでうれしいです」
主将・上田、村田、蒔田、石原の4人はプロ志望届を提出しており、10月26日のドラフト会議を待つこととなる。
85年ぶりのリーグ4連覇はならなかったが、法大戦での勝ち点で有終の美を飾った4年生に、田中監督は労いの言葉を送った。
「ユニフォームを着ている学生、それ以外の学生を含めて、中でも学生コーチの熱田泰祐(明大中野八王子高)は気配り、目配りにおいて歴代でNo.1。だからこそ、勝たせてあげたかった。素晴らしい4年生でした」
田中監督が言う「チーム・上田」のバトンは、今秋まで通算94安打の
宗山塁(3年・広陵高)以下のメンバーに、しっかりとつながれた。