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【大学野球】東京六大学の監督が挙げた秋のキーマンは?

 

先陣を切った小宮山監督


東京六大学の監督6人が秋のリーグ戦への抱負を述べた。左から早大・小宮山監督、明大・田中監督、慶大・堀井監督、法大・大島監督、立大・木村監督、東大・大久保監督[写真=BBM]


 東京六大学秋季リーグ戦の開幕を2日後に控えた9月12日、東京都内で懇親会が開かれた。加盟6校監督、選手は各6校から主将と、東京運動記者クラブ・アマチュア野球分科会が依頼した指名選手6人が出席。チームを指揮する監督が、出席者の前で抱負を語った。そして、2つ目の質問は秋のキーマンである。

 先陣を切ったのは、今春のリーグ戦優勝校である早大・小宮山悟監督だ。「一番、最初にあいさつするのは、気分が良いですね!! 頑張ります!!」。前回優勝は2020年秋。コロナ禍で翌春のシーズン前は感染予防対策の観点から、懇親会は開催されなかった。恒例となっている監督への質問は、壇上左から並ぶことになっており、小宮山監督は初めてのポジショニングに感無量だったようだ。

 春秋連覇へのキーマンには152キロ右腕・田和廉(3年・早実)の名前を上げた。2年春のシーズン途中に離脱。トミージョン手術、リハビリを経て復活するという。小宮山監督は「この夏に戻ってきました。相当、やってくれると思います」と期待を込めた。

 春2位の明大・田中武宏監督は「一戦必勝です」とV奪還を宣言すると、キーマンにはこの日の懇親会に出席した主将・宗山塁(4年・広陵高)と俊足外野手・飯森太慈(4年・佼成学園高)を挙げた。宗山は今春、右手中指第一関節骨折で3カード目から欠場。治療に専念し、夏場から調子を上げている。飯森については、田中監督はこう明かした。

「オープン戦で2人(遊撃手の宗山と飯森)が交錯しまして、飯森が脳震とう。大事を取って、(8月末の)東京六大学オールスター(北海道)を欠場させました。帰京すると、バットにボールが当たるようになり、ヒットが出るようになりました」

 直井宏路(4年・桐光学園高)と足の使える飯森の上位打線が機能し、不動の三番・宗山が戻ってくれば、打線に厚みが増してくる。

 春3位の慶大・堀井哲也監督は「秋のリーグ戦を全力で頑張ります」と意気込みを示した。キーマンは「主将の本間(颯太朗、4年・慶應義塾高)が最後のシーズンで先頭に立ってやってくれると期待しています」と語った。そして、大勢の報道陣を前にして一呼吸を置いて「場の雰囲気で清原」と、指名選手であり、この日にプロ志望届の提出を明言した清原正吾(4年・慶應義塾高)の名を挙げた。

 今春から母校・法大を指揮する大島公一監督は春4位からの巻き返しを誓っており「勝ちにこだわっていきます」と力強く語った。キーマンには主将で正捕手の吉安遼哉(4年・大阪桐蔭高)と「場の雰囲気で篠木」と語った。157キロ右腕・篠木健太郎(4年・木更津総合高)も指名選手で出席しており、絶対的なエースとしての働きが期待される。

 昨秋からコーチ、今春から監督として率いる立大・木村泰雄監督は「開幕カードの慶應戦で良いスタートを切って、優勝を目指していきたい」と、春5位からの浮上を図ってきた。春は5位ながら6勝8敗1分。東大から勝ち点、残る4校からは1勝ずつを挙げており、紙一重の勝負を展開してきた。あとは消耗戦で、勝ち点(2勝先勝)をいかに奪取するか、である。精神的支柱の主将・田中祥都(4年・仙台育英高)をキーマンに指名している。

 1998年春から53季連続最下位からの脱出を目指す東大・大久保裕監督は「失点と自責点の数字を近づける意味でも、エラーをなくして、しっかりした野球をやりたい」と語った。キーマンには、この日の懇親会に出席した主将・藤田峻也(4年・岡山大安寺高)と、投打二刀流の鈴木太陽(4年・都立国立高)の奮起を期待した。

 東京六大学野球連盟は2025年に創設100年を迎える。創設99年の秋、開幕から9週にわたる天皇杯争いから目が離せない。

文=岡本朋祐
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