今季限りで立浪監督が退任
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チームを浮上させることがかなわなかった立浪監督
球団史上初の3年連続最下位に終わった
中日は、
立浪和義監督が今季限りで退任することが決まった。
12年ぶりに現場復帰したミスタードラゴンズは、低迷期が続いていたチームを変えようと必死だった。就任1年目のオフには二遊間のレギュラーだった
阿部寿樹、
京田陽太をトレードで放出。打撃フォーム改造の必要性を説いた
ダヤン・ビシエドも出場機会を減らした。2年連続で最下位に沈んだ昨オフは
中田翔、
中島宏之、
上林誠知などかつて他球団の主力で稼働していた選手たちを獲得した。
立浪監督は週刊ベースボールのインタビューで、「ずっとBクラスが続いて低迷しているチームですから、やはり選手を変えていかないと変わっていかない。それは1年目にすごく感じたことです。その中でもすぐに結果を出していかなければならないのですが、変えたからと言ってそんなにすぐに結果が出るものでもない。でもそこは批判覚悟でね。結果が出なければ言われるのは当然ですし、それは監督の責任ですから。今年は腹をくくってやりますよ」と不退転の決意を口にしていた。
先発陣も結果を残せず
生まれ変わった姿を見せたい。スタートダッシュは最高だった。開幕5カードを終えて10勝3敗1分け。4月9日に2891日ぶりに単独首位に立った。「だから、今年は違うって言っているじゃないですか」。指揮官の言葉にも力がこもったが、好調は長く続かなかった。
5月以降は6カ月連続月間負け越し。投打がかみ合わず借金がズルズルと積み重なり、CS争いから脱落。シーズン最終戦となった10月6日の
DeNA戦(横浜)で0対2と完封負けを喫し、3年連続最下位が決まった。
貧打が長年の課題だったが、今年も解消できなかった。リーグワーストの373得点。だが、得点力不足だけが苦戦の原因ではない。チーム防御率2.99はリーグ4位。先発陣の防御率3.32はリーグ5位だった。本拠地が広いバンテリンドームで得点が入りにくい背景を考えると、この数字に危機感を抱かなければいけない。
高橋宏斗は12勝4敗、防御率1.38で自身初の個人タイトルとなる最優秀防御率を獲得したが、次の勝ち頭は
小笠原慎之介、
松葉貴大で5勝のみ。先発ローテーションの中心で稼働していた
柳裕也は4勝5敗、防御率3.76とふるわなかった。
近年は野手補強に重点
中日の近年のドラフトは、即戦力野手の補強に重点を置く意図が見える。2021年は1位で
ブライト健太、2位で
鵜飼航丞と大卒の外野手を指名。22年は1位が大卒右腕の
仲地礼亜で、2位以降に
村松開人、
濱将乃介、
田中幹也、
福永裕基と大学、社会人、独立リーグの野手を獲得した。昨秋のドラフトでも1位で
度会隆輝(現DeNA)を指名。抽選で外れて
草加勝に切り替えると、2位・
津田啓史、3位・
辻本倫太郎と二遊間の選手を指名している。
「二遊間で大学、社会人の選手を2年連続で何人も獲得するのは異例でした。なかなか固定できなかった裏返しと言えますが、今年は遊撃で村松開人、二塁で田中幹也が頭角を現し、他のポジションも
岡林勇希、
細川成也、
石川昂弥とチームの核になる選手が育っている。今秋のドラフトは即戦力の野手でアマチュアNo.1遊撃手・
宗山塁(明大)、右のスラッガー・西川史礁(青学大)、
渡部聖弥(大商大)の注目度が高いですが、先発でエースになる素材の指名に動くのでは。金丸夢斗(関西大)が再有力候補になると思います」(中日を取材するスポーツ紙記者)
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即戦力の先発左腕として注目を集める金丸
金丸は最速154キロの直球、スプリットを武器にチェンジアップ、スライダー、カーブとその他の変化球も精度が高い。総合力で言えば、アマチュア球界で抜けた存在だ。中日は
今中慎二、
山本昌、
大野雄大と左腕エースが活躍してきた系譜がある。1位指名で複数球団の競合は必至だが、獲得に成功すれば1年目から即戦力で期待できる。高橋と左右のダブルエースは中日ファンの大きな希望になるだろう。金丸のほかにも、中村優斗(愛知工大)、佐藤柳之介(富士大)、
篠木健太郎(法大)、
伊原陵人(NTT西日本)は先発の即戦力で評価が高い。チーム再建へ、どのようなドラフト戦略を立てるか。
写真=BBM