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来季は坂本勇人を遊撃に再コンバート?「大山をFA補強したら守備位置シャッフル」可能性が

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堅守を誇った内野陣


今季はサードでゴールデン・グラブ賞を獲得した坂本


 FA戦線で阪神大山悠輔の獲得レースに参戦した巨人は、内野の陣容が大幅に変わる可能性がある。

 4年ぶりV奪回の大きな要因となったのが、堅守だった。一塁・岡本和真、二塁・吉川尚輝、三塁・坂本勇人がゴールデン・グラブ賞を受賞。巨人で内野手3人が受賞するのは、1990年に一塁・駒田徳広、三塁・岡崎郁、遊撃・川相昌弘が獲得して以来34年ぶりの快挙だった。特に価値があるのが坂本だ。遊撃から三塁にコンバートされた今季は守備率.976と安定した守備力を発揮。一歩目の反応速度が速く、球際に強い。送球も安心して見られる。

 坂本は週刊ベースボールの取材で、「去年の夏に当時の原(原辰徳)監督から、チーム状況と僕自身のケガのリスクを考えてサード転向の話をされました。僕も何も言うことなかったので、『分かりました』と伝えました。16年間、一軍で、ショートでずっと出てきて、毎日のルーティンが決まっていました。サードは人生でほぼ初めての経験だったので、またイチから学ぶような、新鮮な気持ちがありました。1年ぐらいたちましたけど、まだまだ完璧に慣れたとは言えません。ショートに飛んでこないような難しい打球も来るし、前に出て打球を捕ったときに一塁送球の角度がショートとは全然違う。そのあたりは難しさを感じてやっています」と語っていたが、守備に関しては申し分ないパフォーマンスを発揮した。

不安定だった打撃


 ただ、打撃では苦しんだ。6月下旬にファームで再調整するなど状態がなかなか上がらない。スタメン落ちすることも珍しくなかった。108試合出場で打率.238、7本塁打、34打点。レギュラーに定着した2008年以降で自己ワーストの成績だった。今年の開幕前は阿部慎之助監督に三塁のレギュラーを確約されていたが、現在の立ち位置は違う。FAで大山を獲得することが実現すれば本職の一塁を守り、岡本和が三塁に回る布陣が考えられる。球団OBの堀内恒夫氏は今年7月に週刊ベースボールのコラムで、岡本を三塁で固定することを提案していた。

「俺が再三、指摘してきたように、チームの柱となる岡本のポジションを動かすことはものすごくリスクがある。ましてや岡本はNPBで一、二を争う三塁守備の名手である。もし仮に、ショートに坂本に取って代わるような大物が現れたとしたら、守備の負担が少ないサードへ配置転換することも選択肢のひとつとして考えられるだろう。しかし、サードにはキャプテンで四番の重責を担う岡本がドッシリと控えている。それなら、坂本は大事な場面でピンチヒッターとして起用するか、ファーストを守らせたほうが、チームにとってもはるかに大きなプラスになるのではないだろうか」

「やっぱり遊撃が似合う」


 坂本が控えに回る可能性が出てくるが、内野で唯一固定できていないポジションが守り慣れた遊撃だ。門脇誠が後継者として期待されたがプロ2年目の今季は攻守で本来の力を発揮できず、129試合出場で打率.243、0本塁打、21打点。来年は泉口友汰、ドラフト2位指名の即戦力遊撃手・浦田俊輔(九産大)との遊撃の定位置争いになる。

 スポーツ紙記者は、「坂本を三塁だけでなく、遊撃で起用するプランが検討されるかもしれません。体にかかる負担は大きいかですが、やっぱり遊撃が似合う。抜きん出た存在がいないポジションなので経験豊富なベテランが控えていれば心強い。本人はどこを守ることになっても、レギュラーをつかみ取ることしか考えていないでしょう」と強調する。

 今年の12月で36歳を迎える。V奪回を飾ったが、CSファイナルステージでDeNAに敗れて悔しい思いを味わった。来年も三塁で勝負するか、それともチーム編成の兼ね合いで他のポジションに回るか気になるところだ。

写真=BBM

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