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DeNA自由契約のフォードに複数球団が興味「20本塁打打てる」期待が

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選球眼、変化球への対応も抜群


一軍出場は少なかったが潜在能力にあふれるフォード


 他球団で大化けするかもしれない。DeNAが来季の契約を結ばない旨を発表したマイク・フォードだ。

 スポーツ紙記者はこう語る。

「長打力があって選球眼がいい。変化球への対応力も悪くない。DeNAでは一軍で結果を残せず、ファームでも日本の投手への対応に最初は苦戦していたが、徐々に打席の内容が良くなっていきました。一塁のレギュラーが固定できていない球団は多い。実際に複数の球団が調査していると聞いています」

 今年は7月の途中加入したが、外国人枠の関係もありシーズンはわずか6試合の出場で打率.200、1本塁打、2打点。イースタン・リーグでも41試合出場で、打率.211、8本塁打、21打点と際立った成績を残せなかった。ただ、試合を重ねていくにつれ、日本野球への適応能力が上がっていたことは間違いない。10月5日にソフトバンクと対戦したファーム日本選手権では2打席連続本塁打を放ち、球団史上初のファーム日本一にも貢献した。この活躍が評価され、CS、日本シリーズでは代打の切り札を務め、12試合出場で打率.333、1本塁打、2打点。出塁率.412をマークし、シーズン3位からの下克上で日本一に貢献した。

 DeNAは来季の契約を結ぶか迷っただろう。だが、フォードが本職の一塁は首位打者を獲得したタイラー・オースティンがいる。左翼と一塁を守る佐野恵太がFA権を行使せずに残留を決断したことも、チーム編成に影響を及ぼしたはずだ。左の強打者は筒香嘉智も控えているため、フォードの出場機会が限られてしまう。指名打者制のパ・リーグを含め、他球団のほうがチャンスは多いだろう。

近鉄移籍でブレークしたブライアント


 環境を変えたことで、大ブレークした代表的な助っ人外国人がラルフ・ブライアントだ。近鉄の主砲で活躍したイメージが強いが、88年に来日して中日に入団している。当時は助っ人の登録は2人までの規定だったことから、郭源治ゲーリー・レーシッチと攻守の軸を外せず、ブライアントはファーム暮らしが続いていた。このまま芽が出ずに帰国しても不思議ではなかったが、近鉄のリチャード・デービスが大麻不法所持で逮捕されて退団したことで、運命が変わる。

 6月に近鉄へ移籍すると、74試合出場で打率.307、34本塁打、73打点をマーク。勝てば優勝が決まるダブルヘッダー2試合目のロッテ戦(川崎)で延長10回の4対4で時間切れの引き分けとなり優勝を逃したが、翌89年にリベンジを果たす。夏場から快進撃を繰り広げると、天王山となった10月12日の西武とのダブルヘッダーでブライアントが衝撃の活躍を見せる。1試合目の4点差を追いかける4回に郭泰源から46号ソロを放つと、再び4点差に離された6回にも郭泰源から47号同点満塁弾。8回にも救援で登板した渡辺久信から右翼席へ48号勝ち越しソロを放ち、逆転勝利を飾った。2試合目も高山郁夫から勝ち越しの49号ソロを放ち、圧巻の4打数連続アーチ。西武に連勝した勢いでリーグ優勝を飾り、MVPに輝いた。

中日から近鉄へ移籍し、球史に残る助っ人となったブライアント


 来日8年間で3度の本塁打王を獲得し、通算259本塁打をマーク。93年にはNPB歴代最多の204三振を喫するなどシーズン5度の最多三振を喫したが、「三振か本塁打」の豪快な打撃は近鉄ファンだけでなく、他球団のファンを魅了した。ブライアントは「あのトレードが自分にとっては原点であり、グレートなチームに所属できたことは非常に素晴らしいことだと思っているよ」と感謝の思いを口にしている。

「投高打低」が顕著になっている近年のNPBで、本塁打を打てる長距離砲は稀少価値がある。シーズン終盤の大失速で4位に終わった広島はマット・レイノルズが2試合出場で無安打、ジェイク・シャイナーが12試合出場で打率.133、1本塁打、5打点に終わりシーズン途中で退団。最下位に低迷した西武も主軸で期待されたヘスス・アギラーが30試合出場で打率.204、2本塁打、10打点、フランチー・コルデロも23試合出場で打率.129、1本塁打、4打点と振るわず退団が決まった。

 DeNAで3カ月間プレーしたフォードの実力をどう判断するか。性格もナイスガイで知られ、獲得を検討する価値は十分にある。

写真=BBM

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