強打者の宝庫
前回は、そもそも人数が少ない助っ人の捕手を振り返ってみたが、対照的に、助っ人がグッと多くなるのが一塁手。日本人選手にも言えることだが、一塁手には長距離砲タイプの強打者が多く、本塁打王に輝いた一塁手の助っ人を挙げていくだけでも紙幅が尽きそうだ。
三冠王だけでも2人の助っ人がいる。1984年に阪急(現在の
オリックス)で外国人選手として初めて三冠王に輝いたのがブーマー・ウェルズだ。翌85年から2年連続でセ・リーグ三冠王となったのが
阪神の
ランディ・バース。84年の阪急、85年の阪神、それぞれの優勝の立役者でもあり、ともに甲乙つけがたい存在だ。
ブーマーは83年に来日。パワーだけでなく、巧みなバットコントロールで安打を量産、また柔らかいハンドリングの一塁守備にも安定感があって、攻守に別格といえる一塁手だった。この84年は
ロッテの
山本功児に譲ったものの、86年からは2年連続でゴールデン・グラブにも選ばれていて、守備ではバースを大きく引き離している。また、92年まで長きにわたってプレーを続け、その92年に移籍したダイエー(現在の
ソフトバンク)でも打点王に輝くなど、息の長さでもバースをしのぐ。ただ、人気のあったセ・リーグということもあるが、インパクトで軍配が上がるのはバースだろう。ブーマーが届かなかった日本一にも大きく貢献。54本塁打とシーズン本塁打のプロ野球記録に迫ったのもドラマチックだった。
2002年に55本塁打で当時のプロ野球記録に並んだ
西武の
アレックス・カブレラも一塁手だった。その後はオリックス、ソフトバンクと渡り歩き、12年間もプロ野球でプレー。キャリアの長さではブーマーをしのぐ存在だ。また、優勝経験も打撃3部門のタイトルもないが、通算成績で存在感を放つのがロッテ、大洋(現在の
DeNA)、
ヤクルトの3チームで主砲として活躍した
レオン・リーだ。
通算成績や三冠王という圧倒的なインパクトはなくとも、優勝への貢献度など印象に残る助っ人の一塁手も、まだまだいる。あなたにとって、歴代の助っ人で最強の一塁手は誰ですか?
写真=BBM