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侍ジャパンの遊撃は最激戦区…矢野雅哉、長岡秀樹など「WBC狙う好素材」がズラリ

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意気に感じて活躍


昨年11月に行われたプレミア12に出場した紅林


 月日が経つのは早い。2023年のWBCで侍ジャパンが世界一に輝いた感動が昨日のことのように思い出されるが、次回WBCが1年後の26年3月に迫っている。来オフにポスティングシステムでメジャー挑戦の可能性が考えられる村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)を招集できるのかなどメンバー選考が注目される中で、最激戦区のポジションと目されるのが遊撃だ。

 昨年11月に開催された「プレミア12」で選出された遊撃が、紅林弘太郎(オリックス)と源田壮亮(西武)だった。21年からオリックスのリーグ3連覇に貢献した紅林は、昨年Bクラスに低迷したチームの中で打率.247、2本塁打、38打点と成績を落としたが、侍ジャパンに選出されたことを意気に感じていた。

「今年の成績ではどうだろう……? と、正直思っていましたが、(プレミア12のメンバーに)呼んでもらえてよかったです。シーズンとは、また違った緊張感もありますし、選んでもらったからには貢献できるように頑張っていきたい。やっぱり勝たないと意味がないと思うので、少しでもチームの力になれるように、頑張っていきたいと思っています。今年のシーズンは、なかなか活躍することができませんでしたけど、僕自身としては短期決戦に良いイメージがあるんです。打てるイメージを持って、試合に臨んで、打席に立ちたいと思います。ラッキーボーイというか……国際大会で、自分がそういう存在になれればいいなと思っていますね」

6年目での急成長


昨年、遊撃で初めてゴールデン・グラブ賞を獲得した矢野


 まさに有言実行の活躍を見せる。台湾で行われたオープニングラウンド・韓国戦に先制された直後の2回二死二、三塁から三遊間を破る逆転の2点適時打。6試合出場で打率.278、5打点と勝負強さが光った。本職は遊撃だが、二塁で起用された小園海斗(広島)も攻守で軸になった。スーパーラウンド初戦のアメリカ戦(東京ドーム)で2打席連続弾を放つなど猛打賞7打点の大暴れ。打率.387、2本塁打、8打点で大会ベストナインに選出された。

 プロ6年目の昨季は矢野雅哉の遊撃起用に伴い、シーズン序盤に三塁へコンバートされた。不慣れなポジションを必死にこなし、シーズン全143試合に出場。打撃での貢献度も高い。チームトップの得点圏打率.341。四番打者を経験し、「『四番だからこうしよう』という考えは全然なくて、ただ後ろにつなぐことだけを考えました」と自分を見失わなかった。5月は18試合で四番を務め、球団新記録となる月間8度の勝利打点をマークした。

 遊撃で期待の小園を三塁にコンバートさせるほど、守備能力が抜きん出ているのが矢野だ。広い守備範囲と球際の強さ、強肩で昨年は遊撃の定位置をつかんだ。自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞し、課題の打撃でも成長の跡を見せた。137試合出場で打率.260、2本塁打、38打点。6本の三塁打はチームトップだった。国際大会では守備力の高さが重視される。来年の活躍次第では侍ジャパンの遊撃争いに割って入る可能性が十分にある。

最多安打を獲得した巧打者


昨年、好打を発揮して最多安打に輝いた長岡


 今季最多安打のタイトルを獲得した長岡秀樹(ヤクルト)も国際大会で見たい選手だ。23年は規定打席に到達した選手の中でリーグワーストの打率.227だったが、昨年は打率.288と大幅にアップ。安打数も101本から163本と一気に増えた。近本光司(阪神)、秋山翔吾(広島)と実績ある選手たちとの争いを制し、自身初の個人タイトルをつかんだことが大きな自信になるだろう。遊撃でベストナインにも選出され、さらなる飛躍が期待される。

 遊撃は他にも将来を嘱望される人材がそろっている。昨年は攻守で試行錯誤したが、新人の23年に遊撃の定位置をつかんだ門脇誠(巨人)、レギュラーシーズン3位から日本一の下克上を果たしたDeNAでCS、日本シリーズでの活躍が光った森敬斗も身体能力が高く、一気に突き抜ける可能性を秘めている。さらに、「アマチュア球界No.1遊撃手」と形容され、ドラフト1位で5球団が競合した宗山塁(楽天)も新人の今年から即戦力で活躍が期待される逸材だ。2年後のWBCに向け、ショートストップの活躍が注目される。

写真=BBM

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