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筒香嘉智、佐野恵太、桑原将志が並ぶDeNAの外野陣でタイトル狙える「若手成長株」は

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プロ4年目のスラッガー


DeNAのリードオフマン最有力候補の梶原


 昨年はレギュラーシーズン3位から下克上で日本一に輝き、今年はリーグ優勝と2年連続日本一を目指すDeNA。外野陣の層の厚さは12球団屈指だろう。

 ソフトバンクと対戦した日本シリーズで打率.444、1本塁打、9打点でシリーズMVPに輝き、「プレミア12」で侍ジャパンにも選出された桑原将志、首位打者獲得経験があり、FA権を取得して残留を決断した佐野恵太、かつて侍ジャパンの四番を務め、昨年のシーズン途中に電撃復帰した筒香嘉智、ドラフト1位で入団し、打撃センスに定評がある度会隆輝、右でパンチ力が魅力の蝦名達夫、攻走守3拍子そろった関根大気と個性あふれる選手がそろう。その中で、リードオフマンの最有力候補として期待されるのがプロ4年目の梶原昂希だ。

 スピード、パワーを兼ね備えたプレースタイルは入団当時から大きな可能性を抱かせていた。その能力を証明したのが昨年だった。春先から順風満帆だったわけではない。3月29日の開幕戦・広島戦(横浜)に「六番・中堅」で開幕スタメンを勝ち取ったが、3打席連続空振り三振を喫した、その後も打率1割台と打撃の調子が上向かず、4月25日に登録抹消。ファームで約1カ月過ごした。

 梶原はこの期間に修正したポイントを、週刊ベースボールの取材で明かしている。

「大きく2つあって、自分の力感の調整とスイング軌道の修正ですね。もともと自分は力みがちなところがあって、強くは振れるけど、抜いたスイングは苦手だったんです。2ストライクまではしっかり強く振って長打を狙いつつ、追い込まれたら力感を抜いて、本当にもうチョコンと当てるぐらいでアプローチをしていく打撃を目指しました」

「今までボールをかち上げるような軌道だったスイングを、少し上からつぶすようなイメージに修正をしました。ただ、低めをかち上げて飛ばせるというもともとの長所は消さないように練習の中で地道に調整していったんです。今はようやく自然に試合で出てくるようになったなと感じています」

 5月30日に再び一軍昇格。2ストライク後はコンタクトを重視した打撃にシフトすることで逆方向に安打が出るようになった。夏場になると、打棒が爆発する。7月15日の広島戦(横浜)で猛打賞をマークすると、19日のヤクルト戦(神宮)から3試合連続猛打賞をマーク。7月は月間打率.361を記録すると、8月以降も安打を打ち続けて16試合連続安打を記録。1番に定着し、打線を牽引した。自己最多の91試合出場で打率.292、4本塁打、30打点をマーク。自慢の俊足を生かし、16盗塁で盗塁成功率88.9%と高い数字も評価できる。

さらに課題を克服して


 大きく飛躍シーズンとなったが、課題もある。ボール球になる変化球の見極めに苦労し、98三振を喫した。7四球は少ない。選球眼を磨けば、三振が減り、四球の数が自然に増えるだろう。一番打者で出塁率.314は満足できる数字ではない。今年は目標に掲げる3割5分以上、4割に近い数字まで伸ばせれば盗塁を仕掛けるケースが増える。14年に梶谷隆幸が獲得以来、球団史上11年ぶりの盗塁王も十分に狙える。

 今年の抱負を以下のように語っている。

「毎日どんな形であれ、試合もプライベートも常に自分が頑張ったり、笑顔でいられるような一日で過ごそうという思いを込めて。2025年シーズンこそは開幕から日本シリーズ最終戦まで、ケガなく試合に出続けて、その中で数字や結果も残し続けて、レギュラーへの道を一歩ずつ登っていけるようにしたいと思っています」

 外野の定位置をつかむだけでは、満足できない水準に達している。球界を代表する切り込み隊長へ。DeNAは牧秀悟宮崎敏郎オースティン、筒香、佐野とポイントゲッターがそろっている。チャンスメークする梶原の活躍がチームの命運を握りそうだ。

写真=BBM

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