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【大学野球】法大が中原区野球教室を開催 ナインが受けた子どもたちからの刺激

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一人ひとりに丁寧に対応


法大野球部、同野球部OB会主催の中原区野球教室には、22チームから215人が参加。大盛況だった[写真=BBM]


 法大は2月16日、中原区野球教室を開催した。活動拠点である地元・川崎市中原区内の学童野球22チームから210人が参加。法大グラウンドを広々と使用し約3時間30分にわたり、小学生と大学生が交流した。同野球部OB会・法友野球倶楽部の活動の一環でもあり、卒業生も運営に携わった。

 2025年の法大主将・松下歩叶(4年・桐蔭学園高)は、感想をこう語った。

「素直、純粋で野球がうまくなりたいという思いが伝わってきました。逆に小学生から学ぶものがありました。自身自身も小学校時代に地元・神奈川のベイスターズの少年野球教室に参加したことがあり、プロ野球選手が本当に格好良かった。多大な影響を受けました。自分もあこがれられる存在になりたいです」

法大の主将・松下は、参加した子どもたちから写真撮影、サインを求められ、丁寧に応じていた[写真=BBM]


 野球教室後も、参加した子どもたちが記念撮影、サインを求める長蛇の列。一人ひとりに対して、丁寧に対応する姿が印象的だった。

 松下は昨秋、東京六大学リーグで最多の5本塁打を放ち、今秋のドラフトにおける「1位指名」でのプロ入りを目指している。2年秋から昨秋まで、3季連続でベストナイン(二塁手1回、三塁手2回)を受賞。侍ジャパン大学代表では、昨夏のアメリカとのハーレームベースボールウィーク決勝で逆転2ランで優勝に貢献。右の大砲として注目されている。

「持ち味である打撃の部分で突き抜けていきたい。誰が見ても『好打者だろ!!』と評価されるような飛び抜けた選手になりたいです」

 松下は昨春も2本塁打を記録しており、ホームラン量産の理由について、こう明かした。

「ボールの見方を変えたんです。できるだけ長く見る意識。それが、打席での余裕についながる。侍ジャパンでいろいろな人から聞いて、夏場の練習で試し、秋に形になりました」

 意識しているのは同じ内野手で右打者の創価大・立石正広(4年・高川学園高)である。準優勝を遂げた昨年11月の明治神宮大会では2本塁打、6打点。歴代最多10安打を記録し、早くもドラフト1位候補に挙がっている。

「打撃を参考にしており、体の使い方がうまく、どんなボール、コースに対しても強いスイングができる。尊敬している選手ではありますが、立石だけには負けたくないです」

さらに上を目指す遊撃手


昨秋、1年生として32年ぶりに首位打者に輝いた熊谷にとっても、貴重な学びの場となった[写真=BBM]


 今年2月まで1年間、松下と合宿所で同部屋だった熊谷陸(2年・花巻東高)も、野球教室を通じて刺激を受けた。

「元気な子どもたちの姿を見て、パワーをもらいました。ロングティーや守備練習で多くの質問を受けましたが、そうした積極的な姿勢を、見習わないといけないと思いました。自分は消極的なタイプで、一歩、引いてしまうところがあるんです(苦笑)」

 昨秋は打率.471で首位打者を獲得。1年生首位打者は1992年春の早大・大森篤(のちプリンスホテル)以来、32年ぶりの快挙だった。

「慢心せず、もっと上のレベルを目指したい。首位打者は1回だけで終わらず、2回以上取ることに、選手としての本当の意味での価値が高まる。この春は打率4割以上を目指し、長打、本塁打にもこだわっていきたいです」

 昨秋は二塁手で初のベストナインを受賞。12月からは法大・大島公一監督と相談の上で、本格的に遊撃の練習をしている。高校時代からこだわりのあるポジション。昨秋までは明大・宗山塁(楽天)がショートストップとして、存在感を示してきた。熊谷は「次世代を継ぐ遊撃手」としての自覚を持っている。

「昨秋のリーグ戦最終戦で一塁コーチャーズスボックスに立つ機会があったんですが、宗山さんの一塁送球の強さ、足の運びは素晴らしかったです。高校時代のコーチからも『良いショートがいるチームは強い』と言われてきました。自分も遊撃手としての技術を、さらに磨いていきたいと思います」

 花巻東高で同級生だった佐々木麟太郎がスタンフォード大でデビューし早速、結果を残している。「正月も一緒に練習しました。麟太郎もアメリカで頑張っている。いずれメジャーで活躍する姿を見たい」。かつての仲間の活躍も刺激に、大学2年目のシーズンを戦う。

文=岡本朋祐

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