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【大学野球】法大入学の強肩強打の捕手・只石貫太 甲子園10戦の経験値で出す存在感

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あこがれは小林誠司


法大に入学する広陵高・只石は2年春から3年夏まで、4季連続で甲子園に出場した強肩強打捕手である[写真=BBM]


 法大に進学した強肩強打の捕手・只石貫太(1年・広陵高)には、尊敬する選手がいる。

「広陵高の先輩・小林誠司さんはあこがれの存在です。投手とのコミュニケーションを取るのがうまい。法政大学でも1日でも早く、投手陣からの信頼を得ていきたいと思います。ゲームで使ってもらうためには、信用が必要。実戦でもゼロにこだわり、最少失点で戻ってくる。技術的にはまだ物足りないですが、そういう印象として、植え付けていきたいです」

 当時、小林がリードしたのは制球力に長けた野村祐輔(明大-広島)だった。2007年夏の甲子園準優勝。2人の呼吸は抜群だった。只石は2年春から3年夏まで4季連続甲子園出場。同級生右腕・高尾響(トヨタ自動車)とバッテリーを組み、聖地で10試合を戦った。高尾はゲームメーク能力に優れるが、その背景には、只石のインサイドワークがあった。

「高尾は調子が悪くても、悪いなりの投球ができる。自分はそこに、乗っかっていた感じです(苦笑)。捕手として成長させてもらった、大きな存在です。ずっと組んできたので、今度はどこかで対戦したい。配球が分かっているので、自分のほうが優位かもしれませんが、ピッチングが巧いですからどうなるか(苦笑)」

 2月1日に入寮。只石は取材に応じた16日の段階で、ベンチ入り候補メンバーのAチームで練習している。同期入学の捕手には井上和輝(駿台甲府高)、岩出純(作新学院高)がいる。2人よりも上回っているのは「自分のほうが、経験値がある」と胸を張る。甲子園10戦で、最も印象に残る試合を挙げてもらった。

「2年夏、慶應義塾高との3回戦です(延長10回タイブレーク。3対6で広陵高は敗退)。均衡した試合で、1球でも間違えたら負ける。捕手とは、ピンチのときにいかに冷静でいられるかだと思うんです。自分の引き出しが試されるゲームでした」

 高校通算27本塁打。遠投110メートル。二塁送球1.9秒台の強肩捕手が法大に進学した理由を語る。

「もともと東京六大学でプレーしたいと思っていましたが、一番は中井(哲之監督)先生のほうから法政大学を勧められました。目標はプロ野球選手ですが、今のままでは通用しない。法政で鍛え直して、キャッチャーの勉強をして、通用するレベルになってからプロに挑戦する。課題? すべて足りないです。スローイング、ストッピング、配球。一から勉強していかないといけない。優勝回数は、早稲田大学に抜かれました(早大が昨年、9年ぶりの春秋連覇で48度。法大46度)。伝統ある大学で五大学を相手に負けられない。1年から試合に出て、リーグ優勝を目指す」

「『勝てる法政大学』をつくりたい」


 法大は2020年春を最後に天皇杯から遠ざかる。この現状について、感じる部分がある。名門・広陵高で主将を務めてきただけに、すでにチーム全体のことを考えている。

「昨年の4年生の先輩方が、4年間、優勝経験をしないまま卒業されました。今年の4年生以下は『どうにかしないといけない』と、チームを変えている。自分たち1年生は、そこに食らいついている状況です。練習時から『リーグ優勝』『日本一』という声が出てきます。下級生は上級生についていくだけではなく、1年生ながら引っ張っていく気持ち。自分たちもいずれ、上級生になる。先輩方の姿勢を引き継ぎ、さらにいい伝統をつないでいきたい。リーグ優勝、連覇を考えながら『勝てる法政大学』をつくりたいと思います」

 一般的に入学式前の新1年生は、大学生活の新たな環境に慣れることが最優先事項だが、今年の法大は明らかに違う。スポーツ推薦で入部した14人は精鋭ぞろい。多くの1年生がAチームに抜てきされ、2月末からの千葉・鴨川キャンプにも参加するという。法大・大島公一監督は「完全実力主義」で、実戦で結果を出せば、学年を問わず、試合で起用する方針。只石にもチームを背負う覚悟がある。名門復権へ、着々と戦力整備が進んでいる。

文=岡本朋祐

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