週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人軍最強の二番打者? 開幕から大爆発に、他球団から「ペタジーニに似ている」警戒が

  4

4割超の高打率をマーク


今季、巨人に加入したキャベッジ


 連敗しないのは強いチームの証しといえる。前日に今季初黒星を喫した巨人が、4月2日の中日戦(バンテリン)で今季3度目の完封勝ち。先発の山崎伊織が8回5安打無失点に抑え、9回は守護神のライデル・マルティネスが先頭の細川成也に四球を与えたが、後続を抑えて2セーブ目をマークした。

 打線で核になっているのが新加入のトレイ・キャベッジだ。1点リードの6回に先頭で右前打を放つと二盗に成功。エリエ・ヘルナンデスの中越え適時二塁打で本塁に生還した。猛打賞の活躍で打率.429に上昇。オープン戦は打率.214、0本塁打と調子が上がらず不安の声が上がったが、取り越し苦労だった。開幕のヤクルト戦(東京ドーム)で5点差を追いかける8回に左腕・山本大貴から来日初アーチの右越え2ランを放つなど猛打賞で逆転サヨナラ勝ちの立役者になると、翌日の2戦目も2号3ランなど4打点の活躍。新外国人の開幕2戦連発は球団史上初の快挙だった。

 他球団の首脳陣は「映像で見ましたが、甘く入ったらスタンドにきっちり運ぶ。オープン戦のときより変化球の見極めも良くなっている。まだ試合数が少ないのでこれからデータを収集しますが、懐の深い構えとスイングがロベルト・ペタジーニと重なりますね」と警戒を強める。

来日通算233本塁打の助っ人


ヤクルト[写真]、巨人、ソフトバンクでプレーしたペタジーニ


 ペタジーニはヤクルト、巨人、ソフトバンクと日本球界で計7年間プレーし、通算233本塁打をマーク。本塁打王に2度、打点王に1度輝いたが、コンタクト能力も高かった。打率3割以上を5度マークし、来日通算打率.312をマーク。選球眼の良さにも定評があり、最高出塁率のタイトルを2度獲得している。ペタジーニは週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「ホームランを狙っている、狙っていないかは別にして、バッターボックスでは常にボールをよく見て、強くたたくことだけを考えているよ。特にプレッシャーは感じないね。一人ひとりの仕事の役割があると思うし、得点圏にランナーがいれば、それをかえすのが僕の仕事」
「1年目、日本に着いたときから、ここはベネズエラでもアメリカでもない、日本だと、そう気持ちを切り替えた。適応しなくちゃいけないという気持ちがあったから、あまり大変じゃなかったね」

「郷に入っては郷に従え」の心構えで対応したことが成功につながった。日本球界で活躍する助っ人外国人が少なくなっている中、キャベッジがペタジーニ級の成績を残せばリーグ連覇に向けて大きなプラスアルファになる。さらに、ペタジーニにはない武器を持っている。積極果敢に次の塁を狙う機動力だ。2023年にエンゼルス傘下3Aで昨季は107試合に出場し、打率.306、30本塁打、32盗塁のトリプルスリーを達成したが、パワーとスピードを兼ね備えたプレースタイルを異国の地でも貫いている。開幕2戦目のヤクルト戦では2回二死二、三塁で一ゴロをホセ・オスナが後逸して右翼へ転がる間に、ヘッドスライディングで一気に二塁へ。ユニフォームを泥だらけにしてチームの士気を高めている。

二番最強打者説


 メジャーでは長距離砲のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、マイク・トラウト(エンゼルス)が二番に入り、「二番打者最強説」が唱えられた時期があった。NPBでもDeNAがポイントゲッターの牧秀悟を今季は二番で起用、ソフトバンクも腰痛で長期離脱したが昨季の首位打者・近藤健介を開幕から二番に据えていた。巨人は門脇誠坂本勇人吉川尚輝などが昨年二番を務めたが最後まで固定できなかった。パワーと俊足を兼ね備えたキャベッジが二番で打ち続ければ、相手バッテリーに大きな重圧を与えられる。今後の活躍が楽しみだ。

写真=BBM

この記事はいかがでしたか?

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント 0

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング